2001 Fiscal Year Annual Research Report
生息地の構造と密度依存的性質の進化:個体数変動の進化的意義と関連させて
Project/Area Number |
12440215
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
河田 雅圭 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (90204734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 正和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40178950)
横山 潤 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (80272011)
千葉 聡 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10236812)
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Keywords | 密度依存 / 生息地の構造 / 個体数変動 / 淡水産巻き貝 |
Research Abstract |
異なる生息地の構造が密度依存的性質が集団間で異なっている原因であるという仮説を検証するために、本年度は、次年度に引き続き、異なる空間分布を持っ生息地から採集したPhysa acutaの密度依存的成長と年齢依存的な産卵数の違いを調べた。2つの集団は、通常は隔離された小さな水たまりであるが、ときおり増水で他の池とつながるような場所(遊水池集団)」と「水路で水位が安定している場所(水路集団)」である。その結果、依存的成長は、前年の結果同様、遊水池集団の個体は、安定環境であると思われる水路集団の個体よりで高密度で成長が速くなった。また、遊水池集団の個体はより早い時期に多くの卵を産むのに対して、水路集団は、より遅く産卵した。これは、遊水池集団では、隔離された状態でより高密度でもより早く成長し、多くの子供をうむことで、増水して水たまりがつながったとき、より多くの個体を提供できるからだと考えられた。 また、前年度より野外実駐を次の4つの条件で開始している。(1)完全に隔離された水槽(2)10個の水槽で、となりの水槽と1個体移住がおこる(3)10の水槽の間でランダムに個体が移動する(4)10の水槽が増水でつながった状況を想定し、10の水槽の個体すべてを取り出し、均等に再配分する。この4つの設定で、4つの反復実験を行っている。現在、実験開始後一年五ヶ月である。現時点で、(1)の設定での個体数は他の設定の個体数よりも増加率が低いことがわかった。このことは、近親交配の影響であると思われる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kawata, M., M.Hayashi, T.Hara: "Interactions between neighboring algaeand snail grazing in structuring microdistribution patterns of periphyton"Oikos. 92. 404-416 (2001)
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[Publications] Hayashi, I.T., Kawata, M.: "Evolution of postmating isolation : comparison of three models based on possible genetic mechanisms"Population Ecology. 43. 179-188 (2001)
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[Publications] Kawata, M.: "The influence of neighborhood size and habitat shape on the accumulation of deleterious mutations"Journal of Theoretical Biology. 211. 187-199 (2001)
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[Publications] Fukuda, T., Yokoyama, J, Ohashi, H.: "Phylogeny and Biogeography of the genus Lycium (Solanaceae) : inferences from cloroplast DNA sequences"Molecular Phylogenetics and Evolution. 19. 246-258 (2001)
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[Publications] Borash, D.J., Shimada, M.: "Genetics of larval urea and ammonia tolerance and cross-tolerance in Drosophila melanogaster"Heredity. 86. 658-667 (2001)
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[Publications] Kristoffersen, A.B., Lingjaerde, O.C., Stenseth, N.C., Shimada, M.: "Nonparametric modelling of nonlinear density dependence : a threespecies host-parasitoid systems"Journal of Animal Ecology. 70. 808-819 (2001)