2000 Fiscal Year Annual Research Report
色素体とミトコンドリアの分裂装置を構成するタンパク質とその遺伝子の決定
| Project/Area Number |
12440222
|
|---|
| Research Institution | The University of Tokyo |
|---|
Principal Investigator |
黒岩 常祥 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (50033353)
|
|---|
| Keywords | オルガネラ / 分裂装置 / ミトコンドリア / 色素体 / C.merolae |
|---|
| Research Abstract |
本研究の目的は、オルガネラの分裂装置の構造と機能を解析し、続いて分裂装置を単離し、構成成分を決定し、オルガネラの分裂装置のタンパク質を含めた物質的背景を明らかにすることであった。我々が色素体とミトコンドリア(オルガネラ)の分裂装置を単細胞紅藻類で発見して以来、多くの研究室で電子顕微鏡観察がなされ類似の構造が広範な植物で報告されている。しかし、C.merolaeはこれら他のどの生物と比較しても、次に点から最も優れた材料と思われる。
1.葉緑体の分裂装置は、オルガネラの分裂の形成初期から末期まで明瞭に観察される。
2.葉緑体の分裂装置は、形成の初期には細いが、収縮すると太くなる。
3.葉緑体の分裂を光の明暗によってほぼ完全に同調させることができる。
この優れた紅藻を用いて目的達成のために次の順に解析を進めた。
1.分裂中の葉緑体を大量に単離する精製する方法を確立した。
2.葉緑体の分裂装置を単離する方法を開発し、二次元電気泳動法を用いて分裂装置特有の少なくとも三種のタンパク質を同定した。これによって、遺伝子同定への通が開かれた。
|
-
[Publications] Miyagishima,S.,Takahara,M., et al.: "Novel filaments 5nm diameter constitute the cytosolic ring of the plastid division apparatus."Plant Cell . (in press).
-
[Publications] Miyazawa,Y.,Sakai,A., et al.: "The Differential regulation of starch synthesis gene expression during amyloplast development in cultured tobacco BY-2 cells."J.Plant Physiol. (in press).
-
[Publications] Takano,H.,Abe,T., et al.: "The complete DNA sequence of the mitochondrial genome of Physarum polycephalum."Mol.Gen.Gen.. (in press).
-
[Publications] Misumi,O.,Nishimura,Y., et al.: "Characterization of novel cytokinesis-defective mutants of Chlamydomonas reinhardtii."Cytologia. 65. 429-434 (2000)
-
[Publications] 黒岩常祥: "ミトコンドリアはどこからきたか"NHKブックス日本放送出版協会. 300 (2000)
