2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12440227
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松岡 信 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 教授 (00270992)
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Keywords | タバコ / ホメオドメイン / ジベレリン / 転写制御 |
Research Abstract |
これまでの研究により、タバコホメオドメインタンパク質NTH15の過剰発現で引き起こされる形態異常は、内生のジベレリン(GA)の含量が低下することが原因の一つであることが確認されていた。さらに、その際のGA含量の低下は、GA合成を触媒するGA C20オキシダーゼの発現量が低下したためであることが確認された。そこで、NTH15タンパク質によるGA C20オキシダーゼ遺伝子の発現がどのように制御されているかを詳細に検討するために、NTH15タンパク質とグルココルチコイドレセプター(GR)ドメインを融合したタンパク質をタバコ内で発現させた形質転換体タバコを作成し、外からグルココルチコイド(実際にはDEX)を添加することにより、人為的にタバコの形態異常を誘導する系を確立した。 この系を用いて、DEX処理後GA C20オキシダーゼ遺伝子の発現の低下をタイムコースを追って観察したところ、処理後3時間後にはその発現が低下することが分かった。さらに、その発現には新規のタンパク質合成は必要ないことがシクロヘキシミドを用いた実験により確認された。 この結果は、NTH15タンパク質が直接GA C20オキシダーゼ遺伝子に結合しその発現を制御している可能性を示唆していたので、ゲルシフトアッセイ方を用いてNTH15とGA C20オキシダーゼ遺伝子の相互作用を検討した。その結果、NTH15は本遺伝子の第1イントロン内の塩基配列を認識し結合することが確認された。さらに、その結合配列を破壊した変異遺伝子をタバコに導入し発現を観察すると、NTH15の発現箇所では発現しないはずのGA C20オキシダーゼが、変異型遺伝子だと発現することが分かった。
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[Publications] Kikuchi,K.,: "Molecular analysis of the NAC gene family in rice."Mol.Gen.Genet.. 262. 1047-1051 (2000)
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[Publications] Nishimura,A.,: "Over-expression of tobacco Knotted 1-type class 1 homeobox genes afters various leaf morphology."Plant Cell Physiol.. 41. 583-590 (2000)
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[Publications] Sentoku,N.,: "Over-expression of rice OSH genes induces ectopic shoots on leaf sheaths of transgenic rice plants."Develop.Biol.. 220. 358-364 (2000)
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[Publications] Sakamoto,T.,: "KNOX homeodomain protein directly suppresses the expression of a gibberellin biosynthetic gene in the tobacco shoot apical meristem."Genes and Development. (in press). (2001)