2001 Fiscal Year Annual Research Report
紫外光,過剰光エネルギーによる光合成阻害とその防御の分子機構
Project/Area Number |
12440230
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
浅田 浩二 福山大学, 工学部, 教授 (50027182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 健一 岡山県生物科学総合研究所, 室長
原口 博行 福山大学, 工学部, 助教授 (10198905)
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Keywords | 紫外光 / 過剰光 / 一重項酸素 / Water-waterサイクル / ゼータクリスタリン / 光合成阻害 / 青緑蛍光 / アスコルビン酸ペルオキシダーゼ |
Research Abstract |
植物の生育にとって必須の太陽光には、光合成を阻害する400nm以下の紫外光(UV)が含まれ、また光合成に有効な可視光もCO_2固定反応に利用できるより高い照度の太陽光は活性酸素を生成するように作用し、光合成の光阻害をもたらす原因となる。本研究では植物の葉肉細胞がUVまたは過剰の可視光の照射を受けた時に生ずる光阻害、これを防御する機構について研究した。1)UV照射によって400-600nmに紫外励起によって蛍光を発する成分の合成が誘導されることを示し、これらの蛍光性成分の細胞内局在性を示した。これらの成分は紫外光フィルターの機能をもつと考えられる。2)C4植物の維管束細胞葉緑体での循環的電子伝達反応をP700の酸化還元反応から解析し、わずかに含まれる半化学系II、さらにMalate, Ascorbateによって誘導されることを明らかにした。3)1重項励起酸素分子(^1O_2)を検出、定量する蛍光試薬を開発し、生葉では強光照射によって^1O_2が葉緑体でのみ生成すること、UV照射によってはあまり生成しないこと証明した。4)葉緑体での活性酸素消去系であるWater-waterサイクルが過剰光エネルギーを消去している機能について、最近の研究を陸上植物と藻類とについてまとめ、サンゴとの共生藻類Zooxanthelleの光阻害がWater-waterサイクルによって防御されることを証明した。また、water-waterサイクルが充分に機能できない時、光化学系Iが光化学系IIより先に失活することを証明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Asada, K.: "The water-water cycle as altemative photou and election sinks"Phil. Trans. Roy. Soc. London. B. 355. 1419-1431 (2000)
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[Publications] Mano, J., Babiychuk, E.et al.: "A novel NADVH diamide oxidoreductase activity in Arabidopsis thaliana Pl zeta-crystallin"Eur. J. Biochem.. 267. 3661-3671 (2000)
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[Publications] Mano, J., Yoon, H.J et al.: "Crystallization and preliminary X-ray crystallographic analysis of NADPH quinone oxidoredatasc"Biochim. Biophys. Acta. 279. 949-954 (2000)
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[Publications] Mano, J., Ohno, C.et al.: "Chloroplastic ascorhate ptroxidase is the primary farget of methylviolon-induced plsotoox datire stress"Biochim. Biophys. Acta. 1504. 275-287 (2001)
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[Publications] Miyake, C., Asada, K.: "The water-water cycle in algae"Photosynthesis and Respiration in Algue. (印刷中). (2002)
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[Publications] 浅田 浩二: "植物の葉はどうして太陽光の下で緑を保っているのか?"マテリアル学会誌. 13. 114-122 (2001)