2000 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の生殖腺刺激ホルモン受容体の機能と発現調節機構に関する研究
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12440235
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
長濱 嘉孝 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (50113428)
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Keywords | 生殖腺刺激ホルモン受容体 / FSH受容体 / LH受容体 / 卵巣 / 精巣 / mRNA発現 / 魚類 / 発現細胞 |
Research Abstract |
平成12年度は、サケ科魚類のアマゴを用いて、生殖腺刺激ホルモン受容体遺伝子の卵巣と精巣における発現パターンの変動(Northern hybridization)および発現細胞の同定(In situ hybridization)を行った。また、甲状腺刺激ホルモン(TSH)受容体についてもcDNAをクローニングするとともに発現部位(Northern & In situ hybridization)を調べた。 1)卵巣:FSH受容体遺伝子の発現は、卵黄形成が始まる頃の卵胞で強くなり、卵黄形成盛期に最大となり、以後漸次減少し、卵成熟期の卵胞ではほとんど消失する。しかし、卵成熟が完了した濾胞組織で再び発現が見られるようになる。これとは対照的に、LH受容体遺伝子は、卵黄形成期の卵胞での発現は非常に弱く、卵成熟期が近づくにつれて発現量が増大し、卵成熟中の卵胞で最大となる。また、LH遺伝子は卵成熟期の卵胞の顆粒膜細胞で強い発現が認められた。しかし、in situ hybridization法による解析では、アマゴ卵巣におけるFSH遺伝子の発現は確認することはできなかった。 2)精巣:FSH受容体の発現は、精子形成期の精巣で強く、精子成熟期にはほとんど認められない。また、精巣における発現細胞はセルトリ細胞であった。一方、LH受容体遺伝子は、FSH受容体遺伝子にやや遅れて発現し、精子成熟期の精巣で非常に強い発現が観察される。また、その発現細胞は間質組織に位置するライディッヒ細胞に限局された。 3)TSH受容体:TSH受容体遺伝子は、卵巣や精巣ではまったく発現がみられず、甲状線の上皮細胞にのみ明確な発現が認められた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hirai,T. et al.: "Putative gonadolropin receptors in tilapia gonads : cDNA cloning and expression during oogenesis"Reproductive Physiology. 201 (2000)
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[Publications] Oba,Y. et al.: "Fispitucitary glycohormone receptors : cloning and functional characterization of two different gonadolrropin..."Reproductive Biology. 164-166 (2000)
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[Publications] Oba,Y, et al.: "cloning, functional characterization, and expression of thyrotropin receptors in the thyroid of amaso..."Biochemical and Biophysical Research Communication. 276. 258-263 (2000)
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[Publications] Oba,Y, et al.: "Fish gonadotropin and thyrotropin receptors : the evotation of glycopratein normone receptors in vertebrates"Comparative Biochemistry and Physiology PartB. (in press). (2000)