2000 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチド開口放出の調節とペプチドによる神経修飾作用の分子生理学的解析
Project/Area Number |
12440237
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡 良隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (70143360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 学 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (60301785)
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Keywords | ペプチドニューロン / 開口放出 / 神経修飾 / 分子生理学 / カルシウム / イメージング / パッチクランプ / GnRH |
Research Abstract |
本研究では、脊椎動物においてGnRHニューロンの解析に最も適した実験系の一つである淡水産熱帯魚ドワーフグーラミーの脳を用い,まず脳・下垂体スライス標本からのGnRH放出をラジオイムノアッセイ(RIA)で測定し、異なるGnRH系の分泌活動の違いやそれらの機構を明らかにした。次に,微小炭素繊維電極を作製してGnRHを電気化学的に測定する方法を開発し、この方法を用いて、脳・下垂体スライスにおける視索前野GnRHニューロン軸索終末領域から、ホルモン分泌活動のリアルタイム記録を行った。その結果, 1)GnRH分泌量の雌雄差などの点において終神経GnRH系と視索前野GnRH系のGnRH分泌活動に違いがあること、終神経GnRHニューロンではグルタミン酸の入力を受けて脱分極がおこり、主に電位依存性N-typeカルシウムチャネルが開いてCa^<2+>が流入し、それによってGnRH分泌が起こること,終神経GnRH系の自発的GnRH放出には、細胞内カルシウムストアとストアヘCa^<2+>を補充する役割を持つ容量性カルシウム流入が関わっていること等を明らかにした。 2)微小炭素繊維電極を自作してGnRH溶液の電気化学的測定を行ったところ、微小炭素繊維電極の電極電位をおよそ600-800mV以上にすればGnRHの酸化電流を測定できることが分かった。このことから、微小炭素繊維電極の電極電位を800mV以上に保持することにより、脳・下垂体の局所的な場所からのGnRH分泌を記録することができると考えられた。この方法を利用して、ドワーフグーラミー矢状断脳スライス標本の下垂体における視索前野GnRHニューロンの軸索終末付近からの分泌活動のリアルタイム記録を行ったところ,脱分極刺激により分泌活動を反映する酸化電流がK^+濃度依存的に観測された。この方法は、GnRHを分泌する脳内の領域や細胞からの局所的なGnRH放出のリアルタイム測定に応用することができ、GnRH系の機能を解析する有効な手段になると考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Tsutsui,H.: "Light-sensitive voltage responses in the neurons of the cerebral ganglion of Ciona savignyi (Chordata : Ascidiacea)."Biological Bulletin. 198. 26-28 (2000)
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[Publications] Abe,H.: "Modulation of pacemaker activity by salmon gonadotropin-releasing hormone (sGnRH) in terminal nerve (TN)-GnRH neurons."Journal of Neurophysiology. 83. 3196-3200 (2000)
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[Publications] Oka,Y.: "Tropical fish brain as a model system for the neurobiological study of peptidergic neurons."Biophysics (The Biophysical Society of Japan). 40. 254-257 (2000)
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[Publications] Tsutsui,H.: "Encoding of different aspects of afferent activities by two types of cells in the corpus glomerulosum of a teleost brain."Journal of Neurophysiology. 85. 1167-1177 (2001)
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[Publications] Kim,M.: "Effects of olfactory tract section on the immunohistochemical distribution of brain GnRH in the female goldfish, Carassius auratus."Zoological Science. (印刷中). (2001)
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[Publications] Ishizaki,M.: "Amperometric recording of gonadotropin-releasing hormone (GnRH) release activity in the pituitary of the dwarf gourami (teleost) brain-pituitary slices. "Neuroscience Letters. (印刷中). (2001)
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[Publications] Oka,Y.: "Physiology of GnRH neurons and modulation of their activities by GnRH."CRC Press, Boca Raton (印刷中). (2001)
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[Publications] Oka,Y.: "Fish brain as a model system for the neurobiological study of peptidergic neurons."Koseisha-Koseikaku, Tokyo (印刷中). (2001)