2003 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫細胞内共生細菌ブフネラのポスト・ゲノムプロジェクト
Project/Area Number |
12440238
|
Research Institution | University of the Air |
Principal Investigator |
石川 統 放送大学, 教養学部, 教授 (70012482)
|
Keywords | アブラムシ / ブフネラ / 細胞内共生細菌 / アクチン / 有翅型発現 / cDNA / 翅形成遺伝子 |
Research Abstract |
翅多型性に関する遣伝子としては,アリにおいてWg,Sal,およびSdなど数種類が知られているが,前年度に実施したこれらの塩基配列に基づく重複プライマーを用いたPCRでは,アブラムシのゲノム中にこれらに対応する遣伝子を検出できなかった.そこで,今年度は次のように,アリの翅遣伝子断片をプローブとしたサザーンブロッティングによってアブラムシ翅遺伝子を検出し,さらにそれらの発現を調べる実験を行った. 1.アリから得た上記3種類の遺伝子を鋳型として,PCR法によってDIG標識のプローブを作製した. 2.アブラムシのゲノムDNAのEcoRlダイジェストから上記プローブによって翅遺伝子を検出し,それらを同定した. 3.各発生段階のアブラムシから得たRNAと翅遣伝子断片を用いたリアルタィム定量PCR法により,アブラムシ翅遺伝子の発現を探った. 4.その結果,将来無翅型になるか,有翅型になるかで,出生直後から翅遺伝子の発現に違いのある傾向がみられた. 5.アクチンcDNAの保存配列をプライマーに用いて,アブラムシ・アクチンcDNAを単離し,その塩基配列を明らかにした.その結果,ブフネラ細胞内に見いだされるアクチン分子種は,昆虫自身の細胞質アクチンとは異なるものである可能性が示唆された.
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] T.SASAKI: "Interspecific transfer of Wolbachia between two lepidopteran insects expressing cytoplasmic incompatibility: A wolbachia avriant naturally infecting Cadra cautella causes male killing in Ephestia kueh"Genetics. 162. 1313-1319 (2002)
-
[Publications] T.IKEDA: "Regulation of Wolbachia density in the Mediterranean Flour Moth, Ephestia kuehniella, and the Almond Moth, Cadra cautella"Zoological Science. 20. 153-157 (2003)
-
[Publications] T.IKEDA: "Infection density of Wolbachia and level of cytoplasmic incompatibility in the Mediterranean flour moth, Ephestia kuehniella"Journal of Invertebrate Pathology. 84. 1-5 (2003)
-
[Publications] T.L.WILKINSON: "Transmission of symbiotic bacteria Buchnera to parthenogenetic embryos in the aphid Acyrthosiphon pisum (Hemiptera : Aphidoidea)"Arthropod Structure and Development. 32. 241-245 (2003)
-
[Publications] 石川 統: "エピジェネティクス-氏と育ちの間-"現代化学. 11月号. 20-21 (2003)
-
[Publications] 石川 統: "操られる寄生バチ"現代化学. 3月号. 20-21 (2004)
-
[Publications] 石川 統: "新・分子生物学"IBS出版. 145 (2004)