2002 Fiscal Year Annual Research Report
超高速周波数変調レーザーを用いた高密度単色原子線の研究
Project/Area Number |
12450002
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (30162431)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 浩幸 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (50250824)
伊藤 弘昌 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20006274)
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Keywords | レーザー / 原子線 / 周波数変調 |
Research Abstract |
原子線を発生させるためには、一般的に動的に生成された気体の一部をごく小さな開口から取り出す方法が用いられている。しかしながら、この方法で得られる原子は熱的に分布しているため、速度分布は広がってしまうという難点があり、原子ビームを物質表面のプローブやエネルギー粒子源などの機能性ビームとして利用する場合、この性質が問題となる。本研究では、レーザー光による原子運動制御技術に注目し、超高速で周波数変調されたレーザーによる単色原子ビームの実現を目的としている。 通常のレーザー光源のスペクトルは、その基本的性質上モードと呼ばれる多数の狭スペクトルから成っており、レーザー光による原子運動制御に要求されるようなブロードなスペクトルとはなっていない。そのため、本研究ではまず、原子の自然寿命の逆数よりもはるかに高速で発振周波数が変化する超高速周波数変調レーザーの試作を行い、昨年度はその基本的特性を明らかにした。 本年度はこれらの成果に基づき、周波数が広がったレーザー光源を実際の原子ビームに照射し、原子速度の制御を試みた。原子速度分布は、別に用意した単一モードレーザー光の周波数を掃引し、原子からの発光強度をプロットすることで得られた。その結果、熱分布している原子速度分布がレーザー光照射によって変化することが認められた。超高速変調レーザーの中心周波数とスペクトル幅を変え、原子速度分布の変化を観測したところ、これらのレーザーパラメータに応じた変化が生じていた。すなわち、照射したレーザー光の周波数範囲に対応するドップラー速度を持つ原子集団の速度が低くなっている。このことは十分な密度の原子の速度分布が単色化されたことを意味する。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] B.J.Kim: "Growth and Evaluation of High-Quality ZnTe/GaAs by Hot Wall Epitaxy"Phys. Stat. Sol.. 191. 161-168 (2002)
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[Publications] C.R.Luculescu: "Deposition of BN thin films onto Si(100) substrate by PLD with nanosecond and femtosecond pulses in nitrogen gas background"Applied Surface Science. 197・198. 499-504 (2002)
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[Publications] H.Miyake: "Thin film deposition of Boron Nitride by Femtosecond Laser Pulses with Different Wavelengths"Japanese Journal of Applied Physics. 41. 7506-7507 (2002)
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[Publications] 柴田 浩幸: "フェムト秒パルスレーザー熱反射法による金属薄膜の熱拡散率測定"東北大学多元物質科学研究所素材工学研究彙報. 58. 7-18 (2002)