2000 Fiscal Year Annual Research Report
ErドープSiO_2/Si極薄多層膜構造のEr1.54μm発光のダイナミクス
Project/Area Number |
12450008
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
木村 忠正 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (50017365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
一色 秀夫 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (60260212)
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Keywords | ErドープSi / 1.54μm発光 / エネルギーバックフロー / 温度消光 / オージェクエンチング / 極薄多層膜構造 |
Research Abstract |
本研究は,Si結晶とEr^<3+>イオンをナノメータオーダの極薄酸化膜で分離し,Si結晶からEr^<3+>4f電子へのエネルギー移動の減少を極力抑え,一方,Er^<3+>からSi中のキャリヤへのエネルギーの逆移動を大きく減らすことにより,1.54μm発光の温度消光を抑え,高い室温発光を実現しようというアイデアを実験的,理論的に確かめ,1.54μmの高効率室温発光を実現しようというものである. 本年度は,多孔質シリコン(PS)を母材半導体として用い,PS作製後,酸素雰囲気中,800-900℃でプレ酸化してPS内部の微結晶シリコン表面上にナノメータオーダの酸化膜を形成した.その後,Erイオンを電気化学的方法でPS孔の中に導入した.プレ酸化時間により微結晶シリコン表面に形成される酸化膜厚を推定1-20nmの範囲で変えた. Si e-h再結合エネルギーのEr^<3+>4f電子へのエネルギー移動を発光強度と寿命から,一方,Er^<3+>4f電子の緩和エネルギーのSiホストへのエネルギー逆移動を2ビーム法を用い光生成キャリヤによるEr^<3+>4f電子の緩和寿命のオージェクエンチングから評価した. その結果,酸化膜厚の増加とともにオージェクエンチング係数が指数関数的に急激に減少するのに対し,Er^<3+>へのエネルギー伝達効率の減少は緩やかであった.およそ,2nmの酸化膜でSi結晶とEr^<3+>イオンとを分離することで,温度消光が少なくかつ室温で強い発光が得られることが判明した.
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[Publications] T.Kimura: "Direct evaluation of atomic layer intermixing via disordering in ALE grown (GaAs) m/Gaf1 s system"Applied Surface Science. 159-160. 508-513 (2000)
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[Publications] T.Kimrua: "Study of the radiative and nonradiatice processes of rare earth implanted semiconductors at low temperatures"Nuclear Instruments & Methods in Phsics Research. B. (2001)