2001 Fiscal Year Annual Research Report
その場透過電子顕微鏡観察による強誘電体薄膜の劣化ダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
12450010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
酒井 朗 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (20314031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 浩也 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00262882)
財満 鎭明 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 教授 (70158947)
安田 幸夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60126951)
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Keywords | 透過電子顕微鏡 / その場観察 / 強誘電体 / PZT薄膜 / 電圧ストレス / 劣化 / 試料ホルダー / 電極 |
Research Abstract |
本研究の目的は、電圧ストレス下で駆動状態にある強誘電体薄膜の構造変化および局所的な化学組成変化を透過電子顕微鏡(TEM)を用いてその場観察し、強誘電体薄膜の分極特性劣化のダイナミクスを原子スケールで明らかにすることにある。以下に平成13年度に得られた結果を列記する。 1.前年度までに、その場観察用電極付試料ホルダーの設計・開発を行ってきた。これは、既存の高分解能TEM装置に装着が可能で、かつ超高分解能用ポールピースにも対応できる仕様を有している。本年度は、その仕様・設計に基づいてホルダーの試作を行い、試作機の性能チェックの段階で浮かび上がってきた幾つかの問題点に対して検討し、再設計、再試作によってホルダーを完成させた。特に改良にあたっては、試料中心と傾斜中心を500μmずらすことによって、ホルダー自体の耐震性と強度を向上させた。また、両中心のズレから生ずる、試料傾斜時の観察視野の移動は、TEM試料サイズの小型化によって回避できることが実際の観察で明らかになった。さらに、試料支持部に厚さ10μmのフッ素樹脂系コーティングを施すことによって、試料と電極以外の部分との絶縁性を大幅に向上させることができた。本ホルダーを用いて絶縁膜試料をTEM観察したところ、チャージアップ等の問題は起こらないことを確認した。 2.通常PZT薄膜の成長にはSi基板が用いられるが、今回、試料ホルダーの電極部との薄膜の電極部との接触面積を確保するために、Cu板を基板としてその表面にPt上部電極層/PZT薄膜/Pt下部電極層の積層構造を形成した。本構造を有するサンプルを今後の観察対象とした。
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