2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 亮一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60314374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 康寛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00294025)
山本 雅彦 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30029160)
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Keywords | 情報記憶デバイス / MRAM / メモリセル / 微細加工プロセス / 磁性薄膜 / 磁気構造 / 静磁的相互作用 / 磁気異方性 |
Research Abstract |
新世代の情報記憶デバイスであるMRAM(Magnetic Random Access Memory)における磁性薄膜メモリセルについての検討を行った。本研究では、情報記録層の静磁エネルギーを低減する新積層構造を提案し、4Gbit級のMRAMに用いられるメモリセルの基本構造を構築することを目的とした。 (1)メモリセルの微細化を目的とし、微細加工プロセスの最適化についての基礎検討を行った。電子線リソグラフィおよびリフトオフ法による微細加工プロセスを改良した結果、70nm×200nmの長方形メモリセルの加工技術を確立した。この大きさは、16Gbit級のメモリセルの大きさに相当する。 (2)走査型プローブ顕微鏡を用いたメモリセルの材料構造観察、磁気構造観察を行った。その結果、8μm×1μmのセルサイズに関して、従来型の単層膜情報記憶磁性層は、還流磁区構造となり情報を失うのに対して、本研究で提案した基本構造である積層膜情報記憶磁性層は、還流磁区構造とならずに情報を安定に保持することができることを明らかにした。 (3)スピン依存トンネル効果評価設備により、磁界中のメモリセルの電気的な特性についての検討を行った。ミクロンオーダーからサブミクロンオーダーの大きさを有するHf(5nm)/Fe-40at%Mn(10nm)/Ni-20at%Fe(5nm)/Cu(2.5nm)/Ni-20at%Fe(5nm)/Hf(5nm)の積層構造のメモリセルの磁界による電気抵抗の変化を、複数個のメモリセルの平均値として測定することができた。 (4)本研究で提案した新積層構造を有するメモリセルにおける情報記録層についての基礎検討を行い、形状およびサイズと磁気異方性との関係を明確にした。また、隣接するメモリセルとの静磁的相互作用についても検討を行い、メモリセルの間隔が500nmになると、メモリセルの磁気異方性が50%低下することを明らかにした。
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[Publications] Ryoichi Nakatani,Masahiko Yamamoto,Yasuhiro Kamada,Noritsugu Takahashi,Hirotaka Yakame,Yoshio Kawamura: "Magnetic Domain Structures in Microfabricated Fe/Cr and Fe/Cr/Fe/Cr Dots"Digests of 8th Int.Conf.on Ferrites. 248 (2000)
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[Publications] Ryoichi Nakatani,Masahiko Yamamoto,Yasuhiro Kamada,Hirotaka Yakame,Noritsugu Takahashi,Yoshio Kawamura: "Uniaxial Magnetic Anisotropy in Fe/Cr Films with Microstructures Formed by Electron Beam Lithography"Digests of 8th Int.Conf.on Ferrites. 270 (2000)
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[Publications] Ryoichi Nakatani,Masahiko Yamamoto,Yasuhiro Kamada,Noritsugu Takahashi,Hirotaka Yakame,Yoshio Kawamura: "Magnetic Domain Structure and Magnetic Properties in Microfabricated Fe and Fe/Cr/Fe Dot-Arrays"Proc.of Intern.Conf.on Trend in Nanotechnology. (2000)