2000 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン基板上へのリチウムイオン積層伝導薄膜の形成と物性評価
Project/Area Number |
12450016
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
栗山 一男 法政大学, 工学部, 教授 (20125082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 伸行 法政大学, イオンビーム工学研究所, 教授 (30318612)
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Keywords | リチウムマンガン酸化物 / ゾル-ゲル薄膜成長 / シリコン基板 / 原子間顕微鏡表面観察 / マンガン3d準位 / 小さいポーラロン / 窒素イオン注入 / スピネル構造 |
Research Abstract |
平成12年度は下記の2点について研究を実施した。 1.シリコン基板上へのカソード領域(LiMn_2O_4)形成技術とその物性 (1)リチウムアセテートとマンガンアセテートをモル比=2:1に計量し、クエン酸を微量添加したメタノール中に溶解しゾル液とした。この液をシリコン基板上に滴下し、回転速度3000rpsでスピンコーティングした。これを酸素流下で300〜800℃、30分間熱処理した。薄膜X線回折法によりスピネル構造を有する単一相であることを明らかにした。 (2)原子間力顕微鏡を用い300℃で作成した薄膜の表面構造を調べた。スピネル構造の(100)面に対応するLi原子配列を同定した。他の温度で作成した薄膜表面は棒状に成長した構造を有していた。 (3)シリコン基板上に800℃で作成した薄膜の直流電気伝導および光伝導を測定し、220K以下で"小さいポーラロン"に起因すると考えられるトンネル伝導を観測した(第25回半導体物理学国際会議(2000年9月)にて発表)。 (4)石英基板上に800℃で作成した薄膜の光吸収測定から、2つのMn-3dバンド(e_g)がMn-t_<2g>バンド中のフェルミ準位から1.63及び2.00eVに位置していることを明らかにした。上記"ポーラロン"伝導はMn-t_<2g>バンド内のフェルミ準位近傍で生じていることを提案した。 2.シリコン基板上へ形成したLiMn_2O_4膜への窒素イオン注入と電気伝導 (5)シリコン基板上に800℃で作成したLiMn_2O_4薄膜へ加速エネルギー300keVでドーズ1x10^<17>cm^<-2>の窒素イオンを注入した。窒素イオンの飛程は約3000Åであり、ラザフォード後方散乱分析により、打ち込み層は結晶性を保持していることがわかった。 (6)未熱処理注入層の直流抵抗は、室温で10^9Ωと高抵抗を示したため、現在高温のイオンピーダンスを測定中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Kushida and K.Kuriyama: "Observation of Li-atomic array in spinel-LiMn_2O_4 films spin-coated on Si substrates using an atomic force microscopy"Applied Physics Letters. 76・16. 2238-2240 (2000)
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[Publications] K.Kushida and K.Kuriyama: "Observation of the crystal-field splitting related to the Mn-3d bands in spinel-LiMn_2O_4 films by optical absorption"Applied Physics Letters. 77・25. 4154-4156 (2000)