2001 Fiscal Year Annual Research Report
超低温磁場中での表面2次元電子系のナノスケール実空間観察
Project/Area Number |
12450020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 幸雄 東京大学, 物性研究所, 助教授 (80252493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 豊明 東京大学, 物性研究所, 助手 (70308196)
酒井 明 京都大学, 工学研究科, 教授 (80143543)
小森 文夫 東京大学, 物性研究所, 助教授 (60170388)
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Keywords | 走査トンネル顕微鏡 / 電子定在波 / 表面準位 / 二次元電子系 |
Research Abstract |
低温磁場中で作動する超高真空走査トンネル顕微鏡(STM)の立ち上げを行い、現在4K・11Tでの動作することを確認した。この装置を用いて、Au(111)・Cu(111)表面上で定在波が数100オングストロームにわたって拡がっている像を撮ることができた。 表面に局在した電子状態での電子密度を制御することを目的として、Pd/Au(111)・Pd/Cu(111)表面での定在波観察を行い、一層からなるPd薄膜上では観察された定在波の周期がAu・Cu基板の定在波に比べ長くなっていることがわかった。これはPd薄膜を介することによってAu(111)・Cu(111)基板の表面準位のエネルギーレベルが高くなったことを示しており、これにより同表面状態内に含まれる電子密度が低くなっていることを意味している。このことは、表面準位が存在する条件を評価することにより説明され、Au(111)・Cu(111)表面準位のエネルギーレベルが、Pdのギャップ端よりもやや低いレベルに位置していることに起因している。2次元電子系に対する磁場の影響を観測するためには、電子密度を低くする必要があるが、上記の結果は、我々がターゲットとする「表面準位を2次元電子系とみなしてその振る舞いをSTMにより高分解能で観察する」ことへの実現に向けて第一歩を進めたものと言える。 また磁場中での観察から、金表面上での吸着物で磁場強度によりコントラストを変化させているものが観察された。理論計算との比較によりその評価を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Suzuki, Y.Hasegawa, et al.: "Electron standing-wave observation in the Pd overlayer on Au(111) and Cu(111) surfaces by STM"Physical Review. B64. 081403R-1-081403R-4 (2001)
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[Publications] S.Kurokawa, A.Sakai, Y.Hasegawa: "STM barrier-height imaging of Shockley dislooations on a Au(111) recobstructed surface"Japanese Journal of Applied Physics. 40. 4277-4280 (2001)
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[Publications] Y.Hasegawa, T.Suzuki, T.Sakurai: "Modification of electron density in surface states"Surface Science. (発表予定).