2002 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ有機薄膜の機能設計とエレクトロニックノースへの応用
Project/Area Number |
12450039
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
南戸 秀仁 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30133466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹井 義法 金沢工業大学, 工学部, 研究員 (30350755)
草野 英二 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00278095)
金原 粲 金沢工業大学, 工学部, 教授 (90010719)
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Keywords | 水晶振動子式匂いセンサ / 表面プラズモン共鳴味センサ / エレクトロニックノース / プラズマ有機薄膜 / 分子認識膜 / 感性計測 |
Research Abstract |
最終年度である平成14年度は、昨年度までに確立した水晶振動子式(Quartz Crystal Microbalance :略してQCM)匂いセンサおよび表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance :略してSPR)味センサの複合化を図り、食品などの製造工程管理や品質管理に応用を目的に研究を推進した。 その結果以下の成果を挙げることができた。 (1)SPR味センサを用いて、甘辛口の異なる約10種類の日本酒を選定し、それぞれの日本酒に対する本センサの応答を測定した。その結果、センサの応答が甘口と辛口の日本酒で全く異なることを確認すると共に、本センサの出力を解析することで、日本酒の甘辛口を認識できるセンサシステムを実現した。 (2)また同様に日本酒を試料に用いて、有機分子認識膜を有するQCM匂いセンサの応答を測定したところ、匂いセンサは、日本酒のアルコール度に対応して応答することを明らかにできた。また、アルコール度が、日本酒の甘辛口には影響を与えないことも確認できた。 (3)以上のように、SPR味センサおよびQCM匂いセンサを用いることにより、上に述べたように、例えば日本酒の甘辛口のような、いわゆる「感性量」の測定が可能であることが明らかにできた。 (4)SPRセンサの金膜上に有機高分子を用いた分子認識膜をプラズマCVD法で堆積させることで、匂いに応答するSPRセンサを作製することができた。 以上のように、本研究の最終ゴールであるプラズマ有機薄膜をエレクトロニックノースへ応用できたばかりではなく、[感性計測]へ応用できる匂いおよび味センサも開発できた。今後は、エレクトロニックノースの実用化に向けて更に研究を推進する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 南戸秀仁, 関川祐司, 宮竹智樹, 草野英二, 金原 粲ほか: "匂いおよび味複合センサによる日本酒のアルコール度と甘辛口の識別"日本設備管理学会誌. 14. 23-27 (2002)
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[Publications] 南戸秀仁: "匂いセンサ"AROMA RESEARCH. Vol.3,No.2. 2-10 (2002)
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[Publications] H.Nanto, Y.Sekikawa, T.Miyatake, M.Komura, Y.Takei: "Discrimination of Quality of Japanese Sake Using SPR Taste Sensor and QCM Odor Sensor"Technical Digest of the 9^<th> Inter. Symp. on Olfaction and Electronic Nose. 171-172 (2002)
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[Publications] H.Nanto, Y.Hamaguchi, S.Sanada et al.: "Odor Sensor Using Plasma-Polymerized-Film Coated QCM for environmental monitoring"Proc. of SPIE-Advanced Environmental Sensing Technology II. 4576. 237-243 (2002)
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[Publications] H.Nanto, M.Komura, Y.Sekikawa, Y.Takei, E.Kusano, A.Kinbara: "Kansei Biosensor System Using SPR taste Sensor and QCM Odor Sensor for Quality Mapping of Japanese Sake"Proceedings of the 6^<th> Inter. Conf. on Engineering Design and Automation. 705-710 (2002)
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[Publications] H.Nanto, J.R.Stetter: "Handbook of Machine Olfaction(Electronik Nose Technology)"WILLEY-VCH(Ed. by T.C.Pearce, S.S.Schiffman, H.T.Nagle and J.W.Gardner). 1-592 (2002)