2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450047
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
畔上 秀幸 豊橋技術科学大学, 技術開発センター, 助教授 (70175876)
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Keywords | 脊柱特発性側彎症 / 有限要素法 / 座屈 / 成長 / 脊柱力学模型 / 生体力学 |
Research Abstract |
本年度は,臨床データに基づいた有限要素モデル構築方法の検討と,脊柱力学模型実験による座屈説の検証を行った. 1.臨床データに基づいた有限要素モデルの構築 CTデータは骨のX線吸収率に対応した3次元ボクセルデータである.その多くはDICOM形式で記述されている.本研究では,DICOM形式から骨密度分布を解析するプログラムを作成した.作成したプログラムを用いて,高齢の側彎症患者と松果体切除のニワトリの椎体に対する骨密度分布を解析した.今後は,3次元骨表面形状を抽出するプログラムを開発し,その表面形状データから,有限要素プリプロセッサを利用して,3次元脊柱有限要素モデルを構築する予定である. 2.臨床モデルを用いた成長解析 臨床データに基づいた脊柱有限要素モデルが構築できなかったので次年度の課題として残された. 3.脊柱力学模型実験 昨年度に続き,座屈説検証のための脊柱力学模型実験を行った.昨年度の脊柱力学模型では椎間板の剛性が不足していたことを踏まえて,椎間板と堆間関節を新たにシリコーンゴムで作成し,シリコーン系充填剤で椎骨と接着した.成長は,各椎体を上下中央面で分断し,板あるいは楔を挿入してねじ締結することで実現した.椎体の成長による座屈現象の発生を動特性の変化を計測することによって検出することを試みた.その結果,椎体を均一に成長させた場合,椎体前方に偏った成長を与えた場合,成長量の増加に伴って,共振周波数が僅かに減少し,共振時のひずみ周波数応答関数が急激に増加する屈折点が観測された.質量不変の下で起こったこの屈折現象は剛性が不連続に低下したことを意味する.分岐型の座屈現象は剛性の不連続な変動を伴うことから,本振動実験で観測された成長量の増加に伴うひずみ振幅曲線の屈曲点は座屈現象の発生を意味すると考えられる.
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[Publications] 笹岡竜: "特発性側彎症の成因に関する力学模型実験(精密な脊柱力学模型を用いた検討)"第35回日本側彎症学会演題抄録集. 68-68
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[Publications] Kenzen Takeuchi: "Study on Treatment with Respect to Idiopathic Scoliosis(Sensitivity Analysis Based on Buckling Theory)"JSME International Journal Series C. 44・4. 1059-1064 (2001)
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[Publications] 竹内謙善: "特発性側彎症の成因に関する数値シミュレーション(多様なモードの成因)"脊柱変形,日本側彎症学会誌. 16・1. 11-16 (2001)
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[Publications] 竹内謙善: "脊柱特発性側彎症の成因に関する計算力学的研究(重力に抗する骨構築に起因した座屈説)"日本計算工学会論文集(インターネット論文). 2002年号. No.20020006 (2002)