2001 Fiscal Year Annual Research Report
赤外・可視分光ハイブリッド応力測定法の開発とこれによるフレッティング破壊機構解明
Project/Area Number |
12450050
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪上 隆英 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50192589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 昌宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10132630)
武藤 睦冶 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00107137)
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
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Keywords | 熱弾性応力測定 / ロックイン赤外線サーモグラフィ / 光弾性応力測定 / 応力分離 / フレッティング / 接触応力 / 応力拡大係数 / J積分 |
Research Abstract |
本研究の目的は,(I)フレッティング条件下における応力分布の非接触その場計測が可能な新しい計測手法として,赤外光および可視光の分光同時計測による熱弾性・光弾性ハイブリッド応力分布画像測定法を開発すること,(II)開発した応力画像計測手法を用いて,フレッティング条件下における応力分布の非接触その場計測を行い,フレッティング疲労き裂発生および初期進展時の応力場に関する詳細な検討を行うことによりフレッティングメカニズムを解明することである. 本年度は,赤外・可視分光ハイブリッド応力計測システムを完成させるとともに,これを用いた応力分離計測に関する検討および応力分離結果に基づく破壊力学パラメータ評価に関する基礎的検討を行った. (1)熱弾性温度変動を高精度に計測できる赤外線応力計測装置および反射可視光による光弾性応力計測装置を統合したハイブリッド計測装置を開発した. (2)赤外光による熱弾性応力計測によって得られた主応力和分布および光弾性応力計測によって得られた主応力差分布および主応力方向から,全応力をフルフィールド分離計測するソフトウエアを開発した. (3)完成した,赤外・可視分光ハイブリッド応力計測システムを用いて光弾性・熱弾性応力計測を行い,得られたデータを基に応力分離を行った.応力分離計測精度を検証するため,円孔を有する平板の応力分布の計測を行った. (4)赤外・可視分光ハイブリッド応力計測により得られた試験片の応力分布を検討するための数値解析を行い,応力分離計測の精度を検討した. (5)赤外・可視分光ハイブリッド応力計測システムを用いて,き裂を有する材料のき裂周りの特異応力場を,フルフィールド分離計測した.さらに,応力分布の計測結果をもとに,応力拡大係数,J積分等の破壊力学パラメータの評価を行った.さらに,数値解析結果と比較することにより,破壊力学パラメータの実験的評価の精度を検討した. (6)応力分離計測システムおよびこれによる破壊力学パラメータ評価の問題点を検討し,フレッティングき裂進展時の応力計測システム構築のための検討を行った.
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[Publications] 阪上隆英, 藤浪康行, 久保司郎: "熱弾性・光弾性ハイブリッド型応力分離計測法の実験的検討"日本材料学会第50期学術講演会講演論文集. 127-128 (2001)
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[Publications] 阪上隆英, 久保司郎, 藤浪康行: "熱弾性・光弾性ハイブリッド計測による応力分離の実験的検討"日本機械学会材料力学部門講演会講演論文集. No.01-16. 136-164 (2001)
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[Publications] 阪上隆英, 久保司郎, 藤浪康行: "熱弾性・光弾性ハイプリッド法による全応力分離計測"日本非破壊検査協会表面探傷・サーモグラフィ合同シンポジウム講演論文集. 17-19 (2001)
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[Publications] 阪上隆英: "赤外線による非破壊評価"日本機械学会材料力学部門シンポジウム講演論文集. (印刷中). (2002)
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[Publications] 小島陽介, 阪上隆英, 久保司郎, 藤浪康行: "熱弾性応力計測による腐食減肉欠陥の形状の同定に関する検討"日本機械学会関西支部 関西学生会講演会講演論文集. (印刷中). (2002)
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[Publications] 藤浪康行, 阪上隆英, 久保司郎, 小島陽介: "熱弾性・光弾性ハイブリッド型応力分離計測による破壊力学パラメータの実験的評価"日本機械学会関西支部第76期定時総会講演会講演論文集. No.015-1(印刷中). (2002)