2000 Fiscal Year Annual Research Report
高域動的特性を有する超精密・高速位置決めテーブルシステムに関する研究
Project/Area Number |
12450056
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
新野 秀憲 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (40196639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
割澤 伸一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (20262321)
橋詰 等 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (50218400)
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Keywords | テーブルシステム / 超精密位置決め / リニアモータ / 工作機械 / 半導体製造装置 / ER流体 / 減衰特性 / 熱特性 |
Research Abstract |
本研究では,ハイブリッド形リニアモータの構築,テーブルシステムの熱変形挙動の解明,並びにER流体による高域動的特性の向上に関して詳細な検討を行い,超精密・高速位置決めテーブルシステムの総合的な高度化を実現することを目的としている.平成12年度においては,ハイブリッド形リニアモータ駆動方式の超精密位置決めテーブルシステムを構築し,その位置決め特性について詳細な検討を行った.その結果,以下のような研究成果が得られた. (1)テーブルの非接触駆動が可能でかつストローク全域に渡り推力リップルを発生しない駆動方式として,ボイスコイルモータと粗動機構を組み合わせたハイブリッドリニア駆動機構を提案するとともに,実際に構築した. (2)ハイブリッド駆動機構をモデル化し,粗動機構の運動誤差がテーブルに与える影響について検討を行った結果,構築したテーブルシステムの場合,その最大ゲインは約-77dBであり,テーブルの超精密位置決めを実現する上で十分であることを明らかにした.また,ハイブリッド駆動機構の設計の際には,送り方向における粗動機構とテーブルの共振周波数を一致させないことが重要であることを指摘した. (3)ハイブリッド駆動機構を組み込み構築したテーブルシステムが,ナノメートルオーダの位置決め分解能を有することを明らかにした. (4)基本駆動要素であるボイスコイルモータのストロークを上回るロングストロークの位置決めを行った結果,テーブルと粗動機構の間には大きな相対変位が発生するものの,粗動機構の運動誤差はテーブルの運動にほとんど影響を及ぼさないことを明らかにした.
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