2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450064
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
鏡 重次郎 宇都宮大学, 工学部, 教授 (60005337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 隆士 弓削商船高専, 電子機械工学科, 助教授 (30332076)
畑沢 鉄三 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (30114169)
川口 尊久 宇都宮大学, 工学部, 助手 (60234043)
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Keywords | 真実接触面積 / 固体表面 / スパッタ薄膜 / マルチスケール / ヘルツ接触 / SPM |
Research Abstract |
本年度は,引き続きスパッタ薄膜を用いて接触部の検出を行なう方法の現出精度をより明確にするために,粗い球面と滑らかな平面の組み合わせで実験を行ない,その接触部をSPMの各測定モードを用いて測定した. 実験は,粗い面として鋼球表面を約150nmRy,240nmRy(測定範囲20×20μm^2)に仕上げて,滑らかなガラス平面に,0.49N〜2.94Nの荷重で押し付けを行なった.接触部の測定は,前回の報告で有効であった測定モードのAFM, LM-FFM, DFMを用いて,ガラス平面に加えて鋼球表面側の測定も行い,薄膜の移着の様子を両面から比較検討した. 接触部の現出性について検討した結果は次のとおりである.(1)粗さのある接触では従来ヘルツ接触の場合に比べて中心における最大接触圧力は低く,外周に向かうにしたがって圧力分布のすそが広がるとされているが,今回得られた接触している部分の割合の変化がこれと定性的に一致することがわかった.(2)鋼球表面の測定においてLM-FFMにより接触部を検出することができた.また,ガラス表面側の接触部の様子と良く一致していることがわかった.しかし鋼球表面側の検出精度としてはやや低く,今後他のSPM法の使用も検討しつつさらに詳細な測定を進めていく必要がある. 以上のように,本研究ではマクロからミクロにわたる広範囲な尺度で接触の様子を解明するために,平面試料と球状試料を押し付ける実験を行なった.これによって,これまでの報告と併せて,本手法が横方向で数10nmの精度で接触部を検出できる可能性を確認できた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Fujimoto, J.Kagami, T.Kawaguchi, T.Hatazawa: "Micro-Displacement Characteristics under Tangential Force"Wear. 241. 136-142 (2000)
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[Publications] 鏡重次郎, 川口尊久, 畑沢鉄三, 藤本隆士: "セラミックス接触面の接線力による微小変位特性-方向性のない粗い面と滑らかな面の接触の場合-"トライボロジスト. 45・8. 636-644 (2000)
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[Publications] T.Kawaguchi, J.Kagami, T.Hatazawa: "Use of Sputtered Thin Film for Detecting Contacts between Rough and Smooth Surfaces"Proceeding of the International Tribology Conference in Nagasaki 2000. 257-260 (2001)
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[Publications] T.Fujimoto, J.Kagami, T.Kawaguchi, T.Hatazawa: "Micro-Displacement Characteristics under Tangential Force between a Smooth Flat and an An-isotropically Rough Surface of both Similar Ceramics"Proceeding of the International Tribology Conference in Nagasaki 2000. 279-282 (2001)
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[Publications] T.Hatazawa, J.Kagami, T.Kawaguchi: "Operating Performance of Needle Roller Thrust Bearings -Friction Torque and Temperature Rise -"Proceeding of the International Tribology Conference in Nagasaki 2000. 1837-1840 (2001)
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[Publications] 鏡重次郎, 川口尊久: "表面形状の測定技術"月刊トライボロジ. 6・178. 20-25 (2002)