2002 Fiscal Year Annual Research Report
基準3次元曲面形状の2次マスターの高速高精度検定法の開発
Project/Area Number |
12450067
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久保 愛三 京都大学, 工学研究科, 教授 (10027899)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 鉄也 京都大学, 工学研究科, 助手 (00180761)
藤尾 博重 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90026097)
|
Keywords | 2次マスター / 歯車 / インボリュート形状 / レーザ / ヘテロダイン干渉法 / 精度 / 測定誤差 / 再現性 |
Research Abstract |
今年度の本研究による実績を以下に示す. (1)前年度に構築したインボリュート歯面を対象とした測定装置を用いての計測では,基礎円筒の操作をマニュアルに依存したために,測定結果に若干再現性に欠ける面があったが,光学系の光路長の短縮し,基礎円筒の駆動方式をモータ駆動にするなどの改良により,測定データの再現性が十分保証されていることを確認した. (2)測定結果に与える各因子について,それらが測定結果に与える影響を考察した. (2.1)温度変化は測定結果に著しい影響を及ぼし,測定環境に十分配慮しなければならないことを実験により検証した. (2.2)歯面に代わりに静止した反射鏡を用いることにより,測定装置の電気系のドリフトも無視しえないことが判明した,その原因は明らかでないが,そのドリフトにもとづく測定精度は±0.1μmに達することがあり,測定装置の電気系についても十分な配慮を要することが示された. (2.3)本測定に用いたインボリュートマスターの歯面および基礎円筒の座標を,原子間力を用いた超精密3次元測定装置により測定しての解析によれば,それらは所定の値よりそれぞれ5μm,3μm大きいことが判明した.これらのうち,基礎円筒直径の大きさの差は,転がり距離の大きさとともに測定結果への影響が増大し,その転がり距離が20mm程度で有れば測定精度上問題にならないが,転がり距離が40mmを超えると測定結果に対して0.1μmを超える測定誤差としてあらわれることが示された. (2.4)インボリュートマスタにおける基礎円筒のセンター軸回りの偏心が2μm弱存在することを測定により得たが,その程度の大きさの偏心は歯形の測定にほとんど影響しないことを解析的に解明した. 以上の知見をもとに測定器を改良し,測定のリピータビリテイー0.2μm以下でインボリュート形状を測定可能とした.これは従来の測定精度を一桁上回るものであり,新たな測定手法の開発に成功した.本測定装置による計測技術は,直線,円形状以外の曲面形状の測定精度としては,現段階では他に追随を許さないものである.
|