2000 Fiscal Year Annual Research Report
ロケット用超音速ノズル過渡運転時に生じる横方向推力の基礎研究
Project/Area Number |
12450075
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 良信 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50112024)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 和彦 宇宙開発事業団, 宇宙輸送システム本部, 助手 (70260635)
坂爪 則夫 宇宙開発事業団, 宇宙輸送システム本部, 主任開発部員
吉田 義樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (80240836)
|
Keywords | 2次元ノズル / 数値シミュレーション / 超音速風洞実験 / 流体振動 / 横推力 / キャップショック / FSS / RSS |
Research Abstract |
本年度はまず,2次元非定常数値シミュレーション用コードの開発を行い,空間的・時間的精度を確認した.その後,実機ノズルの軸方向の断面を用いた2次元非定常シミュレーションを行った.まず,4種類のノズル形状のシミュレーション結果から,以下に示す3種類の流れの形態により,横方向推力が発生していることを確認した. (1)インターナルショックとマッハディスクの干渉により発生するキャップショック下流に生じる速度せん断層の変動 (2)片側で自由剥離,もう片側で剥離の再付着が生じるという流れの非対称性 (3)インターナルショックとマッハディスクの干渉がなくなる際にキャップショックからマッハディスクへ遷移する際に生じる流れの非対称性 特に(2)は従来の軸対称2次元シミュレーションにおいて,横推力の発生に大きく寄与すると考えられていたものであるが,軸対称2次元シミュレーションでは同時の発生を確認できなかったものである.これを,本研究において世界で初めて同時発生を捕らえることに成功した.そして,当初の予想通り,これが過大な横推力を発生していることも確認できた. さらに詳細に流れ場を調べると,キャップショック下流に生じる逆流域が大きくなると,速度せん断の増大を生じ速度せん断層はより,不安定となり,大きな振動を生じるようになる.これが(1)の振動であり,流れの非対称性を生むすべての原因であることが判明した.そして(1)が成長し,(2)の現象を誘起すると考えられる.また,(1)が起こらないときには(3)が発生しないことも確認された. 一方,数値シミュレーションの実行と並行して,実験の準備を進めた.まず,風洞全体を2次元ノズル実験用に改造するとともに,特性曲線法によって2次元ノズルを製作し,設置した.またコンパクトシュリーレンシステムを導入し,可視化予備実験を行った.
|