2000 Fiscal Year Annual Research Report
沸騰二相流中の障害物による不安定流動とドライアウト発生機構の熱流動工学的研究
Project/Area Number |
12450076
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
深野 徹 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (60037968)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 正夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (30274484)
|
Keywords | 原子炉 / 核燃料棒 / スペーサ / 限界熱流束 / 過渡変動 / 加熱壁面温度変動 / 流動様相 |
Research Abstract |
狭い環状流路内沸騰二相流中に設置した流動障害物近傍の発熱管表面温度変動特性とその流動様相とを同時計測した.供試管の熱流束,質量流量,入口クオリティをそれぞれ急変する場合の過渡変動が流動障害物近傍の壁温変動に与える影響ならびに供試管上流側にエルボ部を有する場合における不安定流動の影響について詳細に調査した結果,次の結論を得た. (1)熱流束急増および流量急減の過渡変化の場合,過渡変化の影響は小さく変化後の条件が定常BTとほぼ同じ条件の場合にのみBTが発生する.また低流量の場合(j_L=0.1m/s),BTの開始がスペーサ下部(上流側)かスペーサ内部かに関わらず,いずれでも発生するがスペーサ下流では常にBTは発生しない. (2)熱流束急減による過渡変化ではその変動幅によってドライパッチがスペーサ内部及びその上流側にまで及び,温度上昇幅も20K〜30Kにも及ぶ. (3)供試管入口クオリティを急増させる場合には安定に遷移するが,逆に急減させる場合には擾乱波の通過頻度が急減後に少なくなり,スペーサ近傍でBTが発生する. (4)過渡変化により流動様相が急変しても,流速が早くなりせん断力が増す方向に変化する場合は比較的安定に遷移するが,その反対に速度が低下する方向に変わる場合には定常BT条件以下でもBTが発生することもあり十分な注意が必要である. (5)本実験のように供試管上流側にエルボ部を有する場合,そのエルボ部のクオリティx_<in>が0近傍であると最大約40Kの大きな壁温上昇を伴う非定常性の強い不安定な流れとなる.これは蒸気スラグがエルボ部で合体し大気泡に成長し易いことに因る.x_<in>が大となって入口の流れが発達するか,流量が大となるとx_<in>≒0近傍でも流れの不安定はなくなり,壁温変動は低減する. (6)本報でのBT発生に対する共通の知見として,擾乱波の通過頻度(蒸気スラグ存在時間)がBT発生と密接に関係し,擾乱波の通過間隔が長くなるとBT発生に至ることがわかった.
|
Research Products
(2 results)