2000 Fiscal Year Annual Research Report
自然循環方式による高密度実装LSIチップの直接沸騰冷却に関する研究
Project/Area Number |
12450089
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本田 博司 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (00038580)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 光 九州大学, 機能物質科学研究所, 助手 (70239995)
高松 洋 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20179550)
|
Keywords | LSIチップ / 沸騰冷却 / 自然循環方式 / 高負荷冷却 / 不伝導性液体 / 表面微細加工 |
Research Abstract |
自然循環型のLSIチップの沸騰冷却実験装置の設計・製作と、各種表面処理を施したシリコンチップと平滑面チップのプール沸騰実験を並行して行った。供試チップの寸法は10×10×0.5mm^3とした。表面処理の方法としては、ドライエッチングによってシリコンチップの表面に10×10×60μm^3、20×20×60μm^3、30×30×60μm^3および50×50×60μm^3の微細なピンフィンをそれぞれフィン厚さの2倍のピッチで設けた伝熱面を製作した。また、これらのチップの一部と平滑面チップについて、表面にスパッタリングによってSiO_2の薄膜を形成し、次いで湿式エッチングによってその表面に10-100nmの極微細な粗さを形成した伝熱面も製作した。これら計8種類のシリコンチップを伝熱面として、不伝導性液体フロリナートFC72の飽和沸騰および過冷沸騰実験を行い、それらの伝熱特性を比較した。一般に、微細ピンフィン付き面は核沸騰域の沸騰曲線が平滑面に比べて急激に立ち上がり、限界熱流束点の伝熱面過熱度ΔT_<sat.c>は11〜24Kとなった。一方、平滑面のΔT_<sat.c>は常にLSIの許容上限温度(85℃)に対応するΔT_<sat>=24Kよりも高かった。そこで、ΔT_<sat>=85Kにおける平滑面の熱流束qと微細ピンフィン付き面の限界熱流束q_cを比較すると、q_cはqの3.5倍に達した。また、q_cの値は冷却液の過冷度ΔT_<sub>の増大につれて増大し、ΔT_<sub>=45Kでは68W/cm^2に達した。なお、q_cが最大となるピンフィンの寸法はΔT_<sub>の増大につれて減少した。ピンフィンの表面に極微細な粗さを形成した伝熱面はもとのピンフィン付き面よりもさらにq_cが増大した。本研究で採用したシリコンチップの表面処理法は「伝熱促進法および沸騰伝熱面」(特願2001-027386)および「半導体装置とその冷却面形成法」(特願2001-048762)の名称で特許出願を行った。
|