2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450092
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Research Institution | NIHON UNIVERSITY |
Principal Investigator |
棚澤 一郎 日本大学, 工学部, 教授 (30013105)
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Keywords | クラスレート / 包摂水和物 / 固・液相変化 / 冷熱貯蔵 / 電力負荷平準化 / エネルギー貯蔵 / エネルギー有効利用 |
Research Abstract |
本研究の最終目標は、適切なクラスレート水和物(包接水和物)の利用によって、現在の氷による冷熱貯蔵を上回る高効率の蓄冷システムを実現することにある。氷蓄熱は電力需要の昼夜の不均衡(とくに夏期の冷房電力による不均衡)を是正する方策として普及が進められているが、氷の場合相変化温度が0℃とやや低すぎるきらいがある。通常の冷房に必要な冷却媒体の温度が10℃前後であることを考えると、この程度の温度で相変化する物質を用いて蓄冷ができれば、冷凍機動力を大幅に軽減でき、システム全体の効率向上が達成されることになる。 本研究では、上述の目的に適う物質としてクラスレート水和物に着目し、冷熱蓄熱材として使用する際に必要となる基礎的物性の測定を行った。諸条件を考慮して選定した物質は臭化テトラ-n-ブチルアンモニウム(tetra-n-butylammonium bromide;以下ではTBABと略す)である。質量濃度0〜40%のTBAB水溶液を冷却すると、0〜12℃で凝固しクラスレート水和物の結晶が生成される。本研究では示差熱分析装置を用いて、水溶液濃度と凝固・融解温度および潜熱の関係を明らかにした。また、相変化後の固相・液相の比率、両相の密度・屈折率などを測定した。さらに、高倍率の顕微鏡により水和物結晶の形態を観察し、代表的な形態は細長い柱状であるが、条件によっては別の形態も取りうること、また濃度25%以下では凝固相はスラリー状となることなどを確認した。
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Research Products
(1 results)