2001 Fiscal Year Annual Research Report
MR流体を用いたアクチュエータによる知的制振システムの構築
Project/Area Number |
12450096
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森下 信 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 教授 (80166404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 健 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (30292642)
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Keywords | MR流体 / 可変減衰器 / 知的制御系 / ニューラルネットワーク / セルオートマトン / クラスタ形成 |
Research Abstract |
本年度の研究実績はMR効果のメカニズムに関する再検討、可変減衰器の試作、および可変減衰器を用いた構造物の制振実験の3点に整理することができる。MR効果のメカニズムに関しては、セルオートマトンと呼ばれる離散的モデル化手法を用いて、MR流体中に分散している強磁性体粒子のクラスタ形成に関するシミュレーションを行った。これにより、流体中に構成される磁気回路の予測がシミュレーションにより可能となった。さらにMR流体の等価な透磁率を推定することに成功した。第2番目の実績としての可変減衰器の試作であるが、用途を限定した小型可変減衰器を試作し、その性能実験を行った。設計に際しては効率的な磁気回路を構成するために、反磁性材料を組み合わせて磁気の漏れを極力抑えるような工夫を施してある。その結果、入力した電気的エネルギーと可変減衰器により散逸された機械的エネルギーの関係を明らかにした。この関係から逆にMR効果のメカニズムに関して再検討が必要になり、従来考えられていたメカニズムではMR効果のエネルギー収支を説明できず、従って理論の再構築が必要となった。この件に関しては来年度中に結論を導く予定である。第3番目の実績として、MR流体を用いた可変減衰器とニューラルネットワークを利用した知的制御系を組み合わせることにより、簡単な知的構造物に関する実験的考察を行った。ニューラルネットワークの学習方法にまだ問題があり、また制御系の速度が遅いために制御が十分に行えず、制振効果は現在のところ十分に発揮されていない。これに関しては次年度中に対策を講じて、制御速度を考慮したハードウエアによる制御系の構築を行う予定である。
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[Publications] 白石俊彦, 森下 信: "セルオートマトンを用いた分散粒子のクラスタ形成"日本機器学会,セルオートマトン・シンポジウム講演論文. 250-254 (2001)
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[Publications] 白石俊彦, 中谷訓之, 森下信: "MRダンパを設置した構造物のニューラルネットワークによる制振"日本機械学会,機械力学・計測制御講演会講演論文集. ♯643 (2001)
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[Publications] 白石俊彦, 中谷訓人, 森下信: "MRダンパによる構造物の制振"日本機械学会,運動と振動の制御シンポジウム. 204-205 (2001)
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[Publications] 中谷訓之, 白石俊彦, 森下 信: "MRダンパによる構造物の制御"日本機械学会,ダンピングシンポジウム講演論文集. 110-114 (2002)
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[Publications] 森下 信, 佐久間智也, 土屋高志, 畑 克彦: "テンションプーリ用小型MRダンパの基本特性"日本機械学会,ダンピングシンポジウム講演論文集. 115-119 (2002)