2000 Fiscal Year Annual Research Report
超高密度磁気記録用六方晶フェライト薄膜の粒子ナノサイズ化と元素添加効果
Project/Area Number |
12450124
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 教授 (20115380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 重人 信州大学, 工学部, 助手 (50262689)
松本 光功 信州大学, 工学部, 教授 (80020981)
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Keywords | 磁気記録媒体 / 超高密度記録媒体 / 垂直記録媒体 / スパッタ法 / ハードディスク媒体 / バリウムフェライト薄膜 |
Research Abstract |
本研究は、磁気異方性の大きな材料であり、現在用いられている金属系薄膜磁気記録媒体に比して、熱的安定性に優れていると考えられる、六方晶フェライト薄膜を高密度記録媒体への適用を目的として行ったものである。具体的にはバリウムフェライトやストロンチウムフェライト簿膜に注目して、第3元素添加による磁性粒子の微粒子化を図ろうとしたものである。ビスマス添加バリウムフェライト薄膜では、結晶化温度の低減化が可能であり、しかも粒子の微細化が可能であることが明らかになった。実際の薄膜媒体への実用化を考えると、低温での薄膜形成が望まれる。ここでは基板加熱を施さずに、非晶質薄膜を形成し、赤外線加熱装置で高速熱処理を施し、結晶化を図った。超高密度磁気記録媒体では、磁性粒子の微細化は必須条件である。熱処理による結晶化において、結晶粒の成長は温度と時間の関数である。ここでは結晶粒子の成長を伴わなず。、しかも十分に結晶化した薄膜を得る条件を見いだすための実験を行った。その結果、750℃、30秒間程度の加熱処理で、十分な結晶性と30〜40nm程度にまで微細化された粒子を得ることが可能となった。ビスマス添加のバリウムフェライト薄膜ハードディスクについては、記録分解能をD50で評価すると、210〜230kfrpiと高密度記録が可能であった。またクローム添加を施したストロンチウム薄膜では、無添加のものに比較して、垂直磁気記録媒体として要求される特性のひとつであるc軸の配向性を向上できることが明らかになった。粒子サイズは80nm程度まで微細化が可能である事が明らかになっている。超高密度記録を達成するためには、より微細化した薄膜が必要である。実際の電磁変換特性の評価から、D50で185kfrpiてあり、より粒子の微細化が必要であることが明らかになった。今年度の研究では、主にターゲット中に元素を添加した場合について検討しているが、元素添加用の付加的なスパッタガンの装着がなされつつあり、より広範囲の元素種類・濃度について検討が可能となるので、これによって主にはストロンチウムフェライト薄膜の粒子微細化に焦点を絞って研究を展開する。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 松本光功,森迫昭光,武井重人: "磁気ディスク用Ba及びSrフェライト薄膜の作製"Journal of the Japan Society of Powder and Powder Metallurgy. 47・7. 717-722 (2000)
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[Publications] Akimitsu Morisako,Makoto Saitoh,Mitsunori Matsumoto: "Effect of chromium addition on the properties of sputtered strontium ferrite films"Journal of Applied Physics. 87・9. 6872-6874 (2000)
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[Publications] 森迫昭光,松本光功,仲俊秀,伊藤建太: "高密度記録用六方晶フェライト薄膜の作製とその特性"電気学会マグネティクス研究会資料. MAG-00-317. 9-13 (2000)
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[Publications] 森迫昭光,斉藤誠,松本光功: "高密度磁気記録用Cr添加ストロンチウムフェライトスパック薄膜"電気学会マグネティクス研究会資料. MAG-00-318. 3-7 (2000)
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[Publications] 森迫昭光,斉藤誠,松本光功: "SrM薄膜に対するCr添加効果と記録再生特性"電子情報通信学会技術報告. MR-21. 23-27 (2000)