2002 Fiscal Year Annual Research Report
2次元連結型単結晶シリコンドットの作製と電子輸送過程の研究
Project/Area Number |
12450125
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
田部 道晴 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (80262799)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 靖彦 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (60303541)
|
Keywords | 連結Siドット / SOI / 電気伝導 / 単電子トンネル / クーロン振動 |
Research Abstract |
本研究では、連結量子ドット構造の基礎研究として、単結晶のSiシートで連結された高密度単結晶Siドット構造を作製し、その電気伝導機構を解明することを目的とし、研究を進めてきた。これまでに、10nm程の薄い上部Si層をもつSOI(Silicon-on-Insulator)基板に対して、我々が開発したナノメータスケールの選択酸化プロセスを適用することで、2次元連結Siドットの形成を実現している。本年度は、2次元連結Siドットを、0.2μm幅程度の細線に加工し、さらに細線上にAl電極を0.8μmの距離に対向配置した連結SiドットFET構造を作製するとともに、低温(15K)における電流-電圧(1-V)測定を行った。 FETの作製においては、当初、連結ドットを細線状に加工した際、下地SiO_2も同時に加工されてしまい、結果として下地SiO_2と連結ドット間で電流のリークが生じたが、プロセスの改善により、これを回避することが可能となった。 加工プロセスを改善して作製した連結ドットFETに対して、低温I-V測定を行った結果、単電子トンネル効果の直接的な証拠であるクーロン振動を観測することができた。 現在、I-V特性の解釈を進めるとともに、走査プローブ顕微鏡の一種であるケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)を用いて、電子輸送経路の時間的・空間的変化の検出を試みているところである。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Y.Ishikawa, M.Kumezawa, Ratno Nuryadi, M.Tabe: "Effect of patterning on thermal agglomeration of ultrathin silicon-on-insulator layer"Applied Surface Science. 190. 11-15 (2002)
-
[Publications] K.Sawada, M.Tabe, Y.Ishikawa, M.Ishida: "Field Electron Emission Device Using Silicon Nano-Protrusions"Journal of Vacuum Science Technology B. 20・3. 787-790 (2002)
-
[Publications] 田部道晴, 澤田和明, ラトノ・ヌルヤディ, 杉木幹生, 石川靖彦, 石田誠: "シリコンナノ構造からの電子の電界放出"電子情報通信学会和文論文誌. J85-C・9. 803-809 (2002)
-
[Publications] M.Iwasaki, Y.Ishikawa, T.Mizuno, H.Ikeda, M.Tabe: "Electrical Characteristics of Si/SiO_2 Resonant Tunneling Diodes"Proceedings of 7th Joint International Conference on Advanced Science and Technology(JICAST2002). 444-447 (2002)
-
[Publications] Ranto Nuryadi, Y.Ishikawa, T.Mizuno, H.Ikeda, M.Tabe: "Fabrication of a Si Single-Electron Transistor with Coupled Dots"Proceedings of 7th Joint International Conference on Advanced Science and Technology(JICAST2002). 456-459 (2002)