2002 Fiscal Year Annual Research Report
白金の触媒作用を用いるMOSデバイスゲート酸化膜の絶縁耐圧性の向上
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12450127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 光 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (90195800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 健司 松下電器産業, プロセス開発センター, 主任研究員
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (00188054)
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Keywords | 化学酸化 / リーク電流 / MOS / 極薄酸化膜 / PMA / POA / 白金処理 / 界面準位 |
Research Abstract |
本研究では、LSIにおける最も基本的かつ重要な素子である金属-酸化物-半導体(MOS)デバイスのゲート酸化膜のリーク電流の低減を目的として研究を行った。LSIの微細化に伴い、ゲート酸化膜が薄膜化して現在最先端のデバイスでは2nm程度のものが、更に2005年以降には1.5nm以下のものが用いられると予想されており、極薄酸化膜を流れるリーク電流の低減が緊急かつ最も重要な課題となっている。以下に14年度の研究成果を示す。 (1)共沸硝酸を用いて1.4nm程度の極薄酸化膜を形成し、その後アルミニウム電極を形成し、それを水素雰囲気中200℃で加熱することによって、従来の高温で形成された熱酸化膜に比較して1/5〜1/20と格段に低いリーク電流密度(ゲート電圧順バイアス1Vの際0.4/cm^2)を達成することに成功した。水素処理によるリーク電流密度の低減の原因は、1)界面準位の消滅、2)SiO_2のバンドギャップ内のエネルギー準位の消滅、3)SiO_2のバンドギャップエネルギーの増大によると結論した。 (2)共沸硝酸を用いて形成した化学酸化膜を、電極を形成する前に水素雰囲気中450℃で加熱することによってリーク電流密度が低減し、熱酸化膜よりも低いリーク電流密度を達成することに成功した。 (3)SiO_2膜を低速電子衝撃法を用いてプラズマ窒化し、その上に白金膜を堆積して酸素中300℃で加熱することによって、リーク電流速度と界面準位密度が大幅に低減することを見出した。これらの特性の向上は、白金の触媒作用によって形成された解離酸素イオン(O^-)がオキシナイトライド膜中に注入され、それが欠陥準位と反応して欠陥準位が不活性化された結果であると結論した。
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[Publications] Asuha, T.Kobayashi, O.Maida, M.Inoue, M.Takahashi, Y.Todokoro, H.Kobayashi: "Ultrathin silicon dioxide layers with a low leakage current density formed by chemical oxidation of Si"Applied Physics Letters. 81(18). 3410-3412 (2002)
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[Publications] M.Takahashi, T.Mizokuro, Y.Nishioka, H.Kobayashi: "Experimental and theoretical studies on N 1s levels of silicon oxynitride films"Surface Science. 518. 78-80 (2002)
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[Publications] Asuha, T.Yuasa, O.Maida, H.Kobayashi: "Effect of postmetallization annealing on ultrathin SiO_2 layer properties"Applied Physics Letters. 80(22). 4175-4177 (2002)
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[Publications] T.Mizokuro, M.Tamura, T.Yuasa, T.Kobayashi, O.Maida, M.Takahashi, H.Kobayashi: "Improvement of electrical characteristics of silicon oxynitride layers by a platinum method"Applied Surface Science. 199. 248-253 (2002)