2001 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン原子細線自己組織化膜の形成と発光デバイスへの応用
Project/Area Number |
12450128
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高萩 隆行 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (40271069)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂上 弘之 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助手 (50221263)
新宮原 正三 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 助教授 (10231367)
|
Keywords | オリゴシラン / 自己組織化膜 / σ超共役 / UV / 可視光スペクトル / PLスペクトル / コンフォメーション / HOMO-LUMOギャップ / チオール |
Research Abstract |
Si-Si結合が連続して原子細線状につながったオリゴシランのσ電子は、通常の有機物のσ電子とは異なって非局在化していて、芳香族有機化合物で認められるπ共役に似た電子的性格を有することからσ超共役状態と呼ばれる。このことから、オリゴシランは特異な光及び電気的特性を有している事が期待される。σ超共役性は主鎖のコンフォメーションに依存して変化すると予想される。発光ダイオード作製を目指してオリゴシラン薄膜の作製を試みた。オリゴシラン自己組織化膜を基板表面に形成してUV/可視およびPLスペクトルなどの光学特性等を計測し、溶液中やスピンコート法で作製した薄膜と比較検討した。この結果、溶液中やスピンコート膜と比べて自己組織化膜の方が、UV/可視光スペクトルにおける330〜350nm付近のσ-σ^*遷移による吸収ピークが長波長側にシフトする傾向が認められた。また、量子化学計算法によってHOMO-LUMOギャップを求めたところ、ねじれたゴーシュ配座の方が直鎖状のトランス配座よりも0.1eV以上大きいことがわかった。基板表面に固定した自己組織化薄膜状態では直線状のトランスジグザグ状態で、σ超共役が伸びやすくなっているのに対して、溶液中やスピンコート膜中ではゴーシュ配座を含み曲がったコンフォメーションで、σ超共役が伸びにくいものと推定される。これらの検討の結果、基板上へ分子端を固定して自己組織化膜を形成することは、オリゴシランの光・電気特性の制御にとって有効な手段の一つであることが明らかとなった。これを用いた光デバイス作製のための基盤的知見を得ることができた。またさらに、自己組織化膜形成のための基盤的研究として、アルキル鎖を有するアルキルチオール分子自己組織化膜を表面に有している金ナノ粒子を規則正しく大面積に配列する研究も展開し、分子自己組織化膜のデバイス応用のための技術開発ができた。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] S.Huang, G.Tsutsui, H.Sakaue, S.Shigubara, T.Takahagi: "Formation of a large-scale Langmuir-Blodgett monolayer of alkanethiol-encapsulated gold particle"J. Vac. Sci. & Tech. B, Second Series. 18・1. 115-120 (2001)
-
[Publications] T.Takahagi, G.Tsutsui, S.Huang, H.Sakaue, S.Shigubara: "Scanning electron microscope observation of heterogeneous three-dimensional nanoparticles arrays using DNA"Jpn. J. Appl. Phys.. 40・5B. L521-L523 (2001)
-
[Publications] S.Huang, G.Tsutsui, H.Sakaue, S.Shigubara, T.Takahagi: "Experimental conditions for a highly ordered monolayer of gold nanoparticles fabricated by the Langmuir-Blodgett method"J. Vac. Sci. & Tech. B, Second Series. 119・6. 2045-2049 (2001)