2000 Fiscal Year Annual Research Report
ガラスマトリクス中に閉じ込めた有機ポリシラン量子構造の光電物性と光デバイス応用
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12450130
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| Research Institution | Osaka Prefecture University |
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Principal Investigator |
内藤 裕義 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (90172254)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 公洋 大阪市立工業研究所, プラスチック課, 研究主任
金光 義彦 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創製研究科, 助教授 (30185954)
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| Keywords | 有機ポリシラン / 有機-無機ハイブリッド薄膜 / ゾルーゲル法 / 時間分解蛍光 / 励起子移動 / 光キャリア生成 / 光誘起屈折率変化 |
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| Research Abstract |
本年度はハイブリッド薄膜の光誘起現象と励起エネルギー(励起子)閉じこめ効果を明らかにし、光電デバイス実現に向けての基礎的知見を整理・蓄積することを目的とした。
試料作成はpolymethylphenylsilane(PMPS)とpolymethacrylateとのブロックコポリマーを作成し、このブロックコポリマーとtetramethoxysilane(TEOS)との混合溶液を用い、ゾルゲル法により有機ポリシランを無機ガラスマトリクス中に閉じ込めたハイブリッド薄膜を作成した。
様々なPMPS含有量のハイブリッド薄膜における励起エネルギー移動を調べるために時間分解蛍光の温度依存性を測定した。その結果、蛍光減衰曲線はPMPSと異なり二つの指数関数減衰で表わされることが分かった(PMPSの蛍光減衰曲線は単一指数関数減衰である)。減衰曲線のPMPS含有量依存性、温度依存性を測定することにより、早い減衰成分はPMPSの含有量によらず励起子が生成されたPMPSセグメントで励起子が輻射緩和することによる発光、遅い減衰成分はPMPSの含有量が少ない場合はintrachainの励起子移動を、PMPSの含有量が多い場合はinterchainの励起子移動をともなった発光であることがわかった。この結果によりハイブリッド薄膜はポリシランの光電デバイス応用に際し、その耐久性を向上させるのみならず、基礎物性の観点から見ればintrachainのエネルギー移動とinterchainのエネルギー移動を分離して評価できる系であることが明らかになった。また、ハイブリッド薄膜に強い紫外光を照射し屈折率の光誘起現象を明らかにした。この屈折率変化はハイブリッド薄膜の光導波路や分布帰還形レーザーへの応用において重要な特性である。室温、大気中で紫外光照射を行なうと屈折率は1.6から1.45まで減少し(この時、ブロックコポリマーとTEOSの重量比は1:1であった)、周期的な紫外線照射部と未照射部で屈折率グレーティングを構成できることがわかった。
さらに、光電デバイス応用において重要となる光キャリア生成効率を向上させるため、ポリシラン側鎖にカルバゾリル基を有するポリシランを合成した。ハイブリッド化に先立ち、このポリシランのみの光電物性を調べて見たところ、PMPSなどの有機ポリシランに比べ光キャリア生成効率が一桁以上向上していることを見出した。これはカルバゾリル基が光生成中心として機能しているためで、ハイブリッド化した有機ポリシランにおいても、光キャリア生成効率を向上させるためには有効な手段である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Mimura,H.Naito,T.Dohmaru,Y.Kanemitsu and M.Aramata: "Photoelectric properties of organic polysilanes containing carbazolyl side groups"Appl.Phys.Lett.. 77. 2198-2200 (2000)
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[Publications] S.Mimura,H.Naito,T.Dohmaru,and M.Aramata: "Mobility-lifetime products of organic polysilanes containing carbazolyl side groups"Jpn.J.Appl.Phys.. 39. 6364-6365 (2000)
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[Publications] H.Naito,S.Mimura,Y.Kanemitsu,K.Matsukawa and H.Inoue: "Optical properties of organic polysilane-silica composites"Extended abstract of Japan-Korea joint symposium on imaging materials and technologies (November 30-December 2,2000,Osaka). 37-40 (2000)
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[Publications] H.Naito,S.Mimura,A.Kobayashi,Y.Matsuura,K.Matsukawa, et al.: "Energy transfer in (organic polysilane)-(silica matrix) hybrid thin fims"Thin Solid Films. (in press). (2001)
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[Publications] Y.Matsuura,K.Matsukawa and H.Inoue: "Fabrication of polysilane-silica hybrid thin films with controlled refractive index"Chem.Lett.. (in press). (2001)
