蓄積されたディジタル映像の複数地点間通信方式に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12450151
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 酒井 善則 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70196054)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小林 亜樹 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (30323801) ; 山岡 克式 , 文部省・メディア教育開発センター・開発部, 助教授 (90262279)
• Keywords: 映像伝送 / スケーリング / MPEGoverIP

Research Abstract

MPEGで符号化されサーバに蓄積された複数の映像番組をCATVのように同一回線を通して伝送するシステムを対象として、各映像番組内のシーンの特性に応じて符号量を制御するスケーリング、帯域割り当てを行い、品質の均質化を図る方式を開発した。具体的には、サーバは蓄積された映像番組の特性を分析して、シーン単位に帯域とPSNR(Peak Signal to Noise Ratio)の関係を1次式で近似してルータに送る。ルータは送られてきた各映像番組のPSNR劣化量が均一になるよう線形計画法により各映像番組のシーンごとに帯域割り当てを行い、サーバに通知する。各サーバはシーンごとに割り当てられた帯域になるようMPEG符号のスケーリングを行い、伝送路に送出する。スケーリング法としては復号-符号化を行う再符号化法とDCT係数削除法を組み合わせて、品質劣化が小さくなるようした。本方式に対してまず計算機シミュレーションを行い、再符号化とDCT係数削除法を組み合わせた方法が従来のスケーリング法に比べて品質劣化が小さいことを確かめた。次に同一回線上での映像番組数が10以下であれば、提案方式のPSNR劣化量の最大値が均等帯域割り当て法に比べて大幅に小さくなること、また画品質の主観的劣化量も小さくなることを確認した。以上の結果をもとにパーソナルコンピュータと大学内LANを用いて、3組のクライアント-サーバ、1台のルータによる実験システムを構築して、帯域制御が実時間で働き、かつ品質劣化量が小さくなることを確認した。

Research Products

• [Publications] 酒井善則: "動作近似式に基づく手振り動作の予測推定法"ヒューマンインターフェース学会誌. 2・3. 45-55 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "低ビットレート動画像通信における最適フレームレートの画像依存性"情報処理研究報告. 2000.89. 19-24 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "動画像のマルチチャンネル通信における動的帯域割当方式"電子情報通信学会技術報告. 99-175. 195-2000 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "超分散サーチエンジンを用いた効率的情報探索について"電子情報通信学会技術報告. 99-200. 123-128 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "画像検索アルゴリズムの自動生成に関する検討"電子情報通信学会パターン認識・メディア理解研究会資料. 9. (2000)
• [Publications] Y.Sakai: "Image Retrieval System Based on Interactive of Feature Space"Proc.SPIE. 3927. 432-441 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "低ビットレート動画像通信におけるフレームレートと画像品質の関係"信学会ソサイアティ大会. D-11-. 4 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "確率推定能力を考慮した超分散サーチエンジン上の探索について"電子情報通信学会総合大会. B7-. 121 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "インタラクティブな画像検索における提示画像の種類に関する一検討"電子情報通信学会総合大会. D12-. 87 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "優先制御による優先・非優先両クラスの遅延同時減少条件"電子情報通信学会総合大会. B-7. 75 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "映像メディアのランドマーク1-1ランドマーク概論"映像メディア学会誌. 54-4. 468-470 (2000)
• [Publications] 酒井善則: "MPEGの時空間解像度の動的変更を用いた協調型マルチキャスト方式"電子情報通信学会論文誌. J83-B-4. 597-606 (2000)
• [Publications] Katunori Yamaoka: "Priority control is not the property of the privileged classes"NETWORK 2000. (2000)
• [Publications] 山岡克式: "ネットワーク情報探索の確率的考察"電子情報通信学会技術報告. SSE-115. 1-6 (2000)
• [Publications] 山岡克式: "超分散サーチエンジン"電子情報通信学会. B-7-120. (2000)
• [Publications] 山岡克式: "伝送スケジュールに沿った複数動画像伝送に伴う帯域ロス"電子情報通信学会総合大会. B-7-146. (2000)
• [Publications] 山岡克式: "集団町待ち行列処理による適応型ブラウザの解析"電子情報通信学会総合大会. B-7-125. (2000)
• [Publications] 山岡克式: "階層符号化の動画像ビットレート制御への適用"電子情報通信学会総合大会. D11-37. (2000)
• [Publications] 小林亜樹: "距離尺度の推定によるインタラクティブな画像検索"映像情報メディア学会誌. 54-4. 583-592 (2000)
• [Publications] 小林亜樹: "キーワードに対応する画像検索アルゴリズムの自動生成法"画像情報メディデ学会誌. 154-11. 1631-1638 (2000)
• [Publications] 小林亜樹: "PIRCSリンク情報の自動的収集によるWeb情報検索"電子情報通信学会技術報告. See.116. 7-12 (2000)
• [Publications] 小林亜樹: "WWWのための実画像高速提示型インタラクティヴな画像検索"JPS AMCP合同シンポジウム. DBWeb. (2000)
• [Publications] 小林亜樹: "協調型パーソナル検索方式:PIRCS"信学会ソサイアティ大会. SB-5-3. (2000)
• [Publications] 小林亜樹: "コスト制限下で発見できる最大Webページ数に関する検討"電子情報通信学会総合大会. B7-126. (2000)