2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子透かしアルゴリズムの安全性評価手法とバイオメトリクスへの応用に関する研究
Project/Area Number |
12450157
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小松 尚久 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30195846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 宏幸 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40243117)
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Keywords | 電子透かし / ハイブリッド電子透かし / バイオメトリクス / 指紋 / 音声 / LSP / 誤り訂正符合 / 耐性評価 |
Research Abstract |
1.バイオメトリクスを対象とする透かし生成手段 音声を対象としてその発声メカニズムの一部である調音に透かしを埋め込むことで、放射後の音声波形に対して間接的に透かしを埋め込む電子透かしの生成手法について昨年まで基礎的な検討を進めてきた。今年度は、これまでの成果に基づき、ITU-T勧告G.729を対象として実際に音声を用いた評価実験を行った。すなわち、透かしを埋め込む音声からG.729符号器内で抽出したLSPを埋め込む情報に合わせて透かし"0","1"を表すCBを用いてベクトル量子化(以下VQ)を行う。この時、線形予測及びMA(移動平均)予測VQの影響から透かしの強度を考慮して、連続するSフレームに対して1ビットの情報を埋め込む。また、透かしの入っている音声から符号器内の演算よりLSPを抽出し、フレーム毎に透かし"0","1"を表すCBとの距離比較を行い、Sフレーム内での判定結果の頻度から最終的に埋め込まれたビットを読み出す。この結果LSPの変化割合Rを0.5としてSの変化によって抽出精度は透かし情報"0"が97〜100%、"1"が73〜100%程度であり、音声品質とともに変化する。再度G.729によって符号化した後の抽出精度は、透かし情報"0"が3〜4%、"1"が11〜18%低下し、MP3圧縮では"0"が3〜5%、"1"が11〜12%低下する結果が得られた。誤り訂正符号の適用による抽出精度向上に関する検討は今後の課題として残されている。 2.透かしアルゴリズムの生成と評価 本年度は、前年に開発した個人情報をディジタルコンテンツに電子透かしとして埋め込むための手法について、詳細な検討をおこなった。本手法は、指紋画像が外部に流出した際にその流出経路を明らかにできる手法であるが、埋め込みを行っても実際の指紋認証装置の認証にはほとんど影響を及ぼさないことを実験的に明らかにした。 同時に、各種電子透かし手法の種々の改ざんに対する耐性を評価し、その安全性を高める手法についても検討した。前年度は、電子透かしに対して複数種類の改ざんが加えられた場合にも耐性を有する電子透かし手法としてハイブリッド電子透かしを提案したが、本年度はこの手法において用いている誤り訂正符号のパラメータを具体的に検討し、その効果を実験的に明らかにすることができた。 さらに、上記ハイブリッド電子透かしの構成要素としても用いることができる電子透かし手法についても新たな提案を行っている。提案手法は、埋め込み時にラドン変換を用いているため、透かし抽出時の座標位置を固定する必要がない。従って、本提案手法は本質的に平行移動や回転移動に耐性を有する方式となっている。本研究では、この提案方式を実装するとともに、その性能を確認している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Yamazaki, T.Kondo, N.Komatsu: "A speaker verification method using CELP parameters"Proc. International Conference on Knowledge-based Intelligence Information. 1202-1206 (2002)
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[Publications] M.Hatada, T.Sakai, N.Komatsu, Y.Yamazaki: "Digital Watermarking Based on Process of Speech Production"Proc. SPIE Multimedia Systems and Applications V. Vol.4861. 258-267 (2002)
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[Publications] 畑田充弘, 酒井俊之, 小松尚久, 山崎 恭: "音声の生成過程に着目した電子透かし"情報処理学会研究報告. Vol.2002, No.43. 37-42 (2002)
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[Publications] 川村 亮介, 稲葉 宏幸: "電子透かしによる指紋画像の保護に関する考察"コンピュータセキュリティシンポジウム2002予稿集. 113-118 (2002)
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[Publications] 柴 羊平, 稲葉 宏幸: "ハイブリッド型電子透かしの性能向上に関する考察"コンピュータセキュリティシンポジウム2002予稿集. 419-424 (2002)
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[Publications] 中原 宏徳, 稲葉 宏幸: "ラドン変換を用いた電子透かしの提案"2003年暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿集. 2. 881-886 (2003)