2002 Fiscal Year Annual Research Report
大規模センサアレイによるカクテルパーティ効果システム
Project/Area Number |
12450164
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
高橋 弘太 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (10188005)
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Keywords | アレイ信号処理 / ディジタル信号処理 / カクテルパーティ効果 / 視聴覚融合 |
Research Abstract |
本研究の目標は,本来は心理学の概念であったカクテルパーティー効果を,工学の分野にもちこみ,生体の機能に近いセンシングシステムを実現することである.この目標をめざして,本課題では,リアルタイムタイム動作可能な実験システムを実際に試作しながら研究を進めた.本年度は,以下の成果を得た. 第一は,ハードウエアの完成である.前年度までの研究成果に基づいて設計した新しいDSPボードを,大規模マイクロホンアレイ用に20枚追加製作した.また,カメラから画像を入力するモジュール,およびモニタに画像や処理結果のグラフ出力を表示させるためのモジュールも製作した.さらに,156チャネルのマイクロホンアレイと新DSP部間のインターフェースも完成させた. 第二は,DSP間通信モジュールでの通信プロトコルの研究である.大規模アレイの情報処理にあたって,最も問題となるのはDSP間通信をどう行うかである.前年度までの研究で,DSPボード間の通信方式を決定し,、その方式にあった専用FPGAを設計したが,本年度はそのFPGAを最も効率よく活用するためのソフトウエア,環境を整備した.大量の入出力を行い,かつリアルタイムで,かつ並列処理を行うシステムを構築するときには,デバッグを容易にすることも重要であり,今回製作した開発環境は,デバッグの方法においても視聴覚情報のリアルタイム処理に適したものが実現できたと言える. 以上,完成させたソフトウエア,ハードウエアでシステムを組み,大規模アレイによる信号分離を行ない有効であることを示した.また,それと平行して,数値シミュレーションを用いてさらに高度な信号分離アルゴリズムを開発し,センサ数を大規模化することの意味も示した.この結果によって,将来のさらなるハードウエア拡張に対する指針も得られた.
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