2000 Fiscal Year Annual Research Report
水硬性微細空隙を有する材料と構造のシステムダイナミクス
Project/Area Number |
12450174
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80157122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安 雪暉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50312971)
岸 利治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90251339)
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Keywords | 非平衡熱力学 / 炭酸化 / ゲル構造 / 腐食 / 酸性雨 / 細孔組織 / 耐久性 |
Research Abstract |
(a)コンクリート細孔中のイオン平衡とPH変動予測モデルの構築 酸によるC-S-H構造の破壊とコンクリートの変成を数量的に解析するprogramを作成し,炭酸化反応のみならず,酸性雨と硫酸塩環境条件に対応できるように,これまで研究代表者らが開発してきたDuCOMシステムの高度化を図った。 (b)長期に渡るカルシウムイオンの溶出とC-S-Hゲル構造の変質モデル DuCOMシステムを改良し、放射能遮蔽性能の予測を試みた。特に水セメント比の小さい領域で起こる水蒸気移動と水の相平衡に着目した実験と解析を行い,精度の検証とナノスケールでのゲル・毛細管空隙に滞留する凝縮水と水和速度との関係について、知見を得た。 (c)Maxwellの電磁場方程式の組み合わせ プロトン保存則とイオン保存則を厳密に解く方法を年頭において,本年度は基本モデル化とコード設計を行った。物質の移動解析と応力解析との連成を可能とするように,定式化を図った。 (d)腐食鋼材を有する部材挙動 水分逸散と温度に起因するコンクリートの体積変化と強制電流によって導入される腐食反応の元で,RC部材が呈するTension-stiffness挙動とひび割れ幅と鉄筋ひずみとの関係を,実験的に検討した。これをRCゾーニング手法に適用し,腐食に伴う損傷と付着劣化が及ぶ領域を,主として梁の実験から得ることができた。 (e)温度が変動する際の物質平衡に関する定式化を非平衡熱力学の知見を動員して,より厳格に行い,DuCOMシステムの高度化を図った。
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Research Products
(1 results)