2001 Fiscal Year Annual Research Report
低周波超音波法の定量化とコンクリート構造物の健全度評価への応用に関する研究
Project/Area Number |
12450182
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (00156712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北原 道弘 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60135522)
木本 和志 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (30323827)
大即 信明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40211106)
永田 泰昭 新日本製鐵(株), 設備技術開発センター, 主任研究員
|
Keywords | 非破壊評価 / 低周波超音波 / 擬似3次元解析 / 境界要素法 / 多重極展開法 / PCグラウト充填 / ウェーブレット解析 / レーザー計測 |
Research Abstract |
本研究はコンクリート材料あるいは構造体の非破壊検査に適しているであろう数十kHz〜数百kHzの低周波域における超音波に注目し,ソフトとハードの両面からのアプローチにより定量化を行うことを目的としている.本年度は3年計画の2年目で,1.低周波超音波の解析手法の開発,2.低周波超音波の各種計測法の比較,3.コンクリート構造物への応用の各項目について研究を進めた.主な結果は以下のとおりである. 1.低周波超音波の解析手法の開発においては,インパクトあるいは超音波を用いたPCグラウト評価のために,擬似3次元解析手法を開発した.これは,PCシース管の長手方向には幾何形状が一定であることを利用して,フーリエ変換により長手方向の座標を波数に変換して,解析を行うもので,これにより,本来3次元解析が必要なPCグラウト充填の定量的評価がより簡便に行えるようになった.また,大規模な3次元解析を行う基礎解析として,多重極展開法を用いた境界要素法の開発も行った.ただし,現時点では2次元解析用となっているので,今後3次元解析へと拡張する予定である. 2.低周波超音波の各種計測法の比較では,鋼球の落下,レーザー,圧電素子,加速度計を用いた各種計測を行い,それぞれの計測法の長所と短所を比較検討した.レーザーを用いると直接,振動速度が計測できるので,その計測結果を規準として,圧電素子や加速度計による計測結果の補正方法を提案した. 3.コンクリート構造物への応用では,PCグラウト充填度評価をウエーブレット解析を用いて行った.板状の供試体を用いた場合,ウエーブレット解析によりほぼ問題なく充填評価ができるのに対し,角柱の供試体では側方境界からの反射波の影響が大きく,十分な評価精度が得られないことがわかった.これについては次年度の検討課題である.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 田中 亮一, 廣瀬 壮一, 桂 健太郎: "インパクトエコー法によるPCグラウトの充填評価に関する考察"土木学会第56回年次学術講演会講演概要集. (CD-ROM:I-B088). (2001)
-
[Publications] S.Hirose, E.Hoshi: "Ground motion due to a moving load"Proc. of the Fourteenth KKNN Seminar on Civil Engineering. 273-278 (2001)
-
[Publications] 田中亮一, 廣瀬壮一: "インパクトエコー法によるPCグラウトの充填の定量的評価"第9回超音波による非破壊評価シンポジウム講演論文集. 9-10 (2002)
-
[Publications] 斎藤隆泰, 廣瀬壮一: "大規模波動解析のための高速多重極境界要素法の開発"東京工業大学土木工学科研究報告. 65(印刷中). (2002)