2001 Fiscal Year Annual Research Report
超大型浮体の波浪応答解析のための高速境界要素解法に関する研究
Project/Area Number |
12450185
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 英一 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026174)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 和寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (40301238)
宇都宮 智昭 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10211773)
西村 直志 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90127118)
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Keywords | 超大型浮体 / 波浪応答 / 高速解法 / 境界要素法 / 多重極法 / 流力弾性解析 |
Research Abstract |
実規模の超大型浮体に対する波浪応答解析においては,5km×1kmの浮体の波浪応答を50mの入射波に対して解析しようとすると,5m×5mのパネル分割,すなわち20万自由度(=N)を要する.これを従来解法で解こうとすると,記憶容量O(N^∧2),計算時間O(N^∧3)いずれの面からも現在の計算機能力を遥かに超えた計算量となる.そこで本研究においては,水波Green関数を用いる境界要素法において,その高速解法アルゴリズムを開発し,最終的に実規模(長さ5km×幅1km)クラスの超大型浮体構造物の波浪応答解析を実証することを研究目的とした。このため、有限水深での水波グリーン関数を高速多重極法のアルゴリズムに載せるための理論的考察からはじめた.特に浅水域における水波グリーン関数がベッセル関数に関する無限級数であらわされることに着目し,これにGrafの加法定理を適用することで,多重極展開式を得た.必要となる領域積分等においても一切の発散積分が生ずることなく,理論面からは完全に高速多重極法の適用が高精度に適用可能なことを確認した. 次に,高速多重極法のアルゴリズムの8節点境界要素法プログラムへの実装をおこない,ベンチマーク計算の結果、単純な形状であれば30万自由度規模の計算を24時間程度で実施することができ,本研究の初期目標を達成した.しかしながら,現在,複雑な海底地形等を含む問題に対しては,解の収束性が悪くなり,計算時間がかかる,という問題点が発生している.これは、マトリクスのill-Conditioningにともなうものであるが、この解決は長期的課題として残された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Utsunomiya, E.Watanabe, N.Nishimura: "Fast Multipole Method for Hydrodynamic Analysis of Very Large Floating Structures"Proc. of 16th Int. Workshop on Water Waves and Floating Bodies. 161-164 (2001)
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[Publications] T.Utsunomiya, E.Watanabe, N.Nishimura: "Fast Multipole Algdrithm for Wave Diffraction/Radiation Problems and Its Application to VLFS in Variable Water Depth and Topography"Proc. of 20th Int. Conf. on Offshore Mechanics and Arctic Eng.. Paper No.5202. (2001)
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[Publications] 宇都宮智昭, 渡邊英一: "超大型浮体の波浪応答解析のための高速化グリーン関数法の開発"第16回海洋工学シンポジウム論文集. 313-320 (2001)
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[Publications] 西村 直志, 吉田 研一: "境界積分方程式法による水の波の数値計算における放射条件の取り扱いについて"計算数理工学論文集. 1. 29-32 (2001)