2001 Fiscal Year Annual Research Report
骨格構造の生成・劣化をともなう飽和土の時間依存挙動の弾塑性力学に基づく解析
Project/Area Number |
12450190
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Research Institution | NAGOYA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
浅岡 顕 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50093175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 英司 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (00293647)
野田 利弘 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (80262872)
中野 正樹 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (00252263)
金田 一広 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (30314040)
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Keywords | 自然堆積粘土 / 2次圧密 / 構造 / 過圧密 / 異方性 / サンプリング / 弾塑性力学 / 水〜土連成 |
Research Abstract |
自然堆積地盤から採取した粘土試料を用いて標準圧密試験を行うと、2次圧密現象に代表される時間依存挙動がよく観察され、これは一般に室内再構成粘土試料よりも顕著に見られる。また、同じ自然堆積粘土でも、2次圧密現象は室内試験で観測されるほど現位置では観測されない。 今年度は、自然堆積粘土に特有な構造・過圧密・異方性の3つの概念と塑性変形の進展に伴うそれらの発展則を考慮した弾塑性構成式を新に提案し、この構成式を用いた水〜土連成弾塑性計算により、上記の2次圧密現象に関する事項を調べた。その結果、次の事項が明らかになった。 (1)構造が卓越した粘土ほど2次圧密が起こりやすく、粘土が乱されると構造が低位化し起こりにくくなる。これは、高位な構造ほど2次圧密の原因となる「塑性圧縮を伴う軟化」域が拡大するからである。 (2)サンプリングに伴う応力解放により、過圧密粘土化が進むと、2次圧密が起こりやすくなる。これは、構造を有する過圧密土では、大きな過圧密比がゆえにより高い応力比までせん断応力を取ることができ、「塑性圧縮を伴う軟化」域に達しやすくなるためである。 (3)サンプリング時の切出し角度の影響を考慮すると、局所化を伴う遅れ沈下挙動が起こる可能性がある。これは、1次元圧縮試験であっても、多次元的な変形を示すとともに供試体内でせん断ひずみの局所化域が発生し、その付近で「塑性圧縮を伴う軟化」が起こるからである。 上記の2次圧密に関する計算に加え、構造「無限大」のコロイド状態からの沈降大圧縮過程を再現すべく、v(比体積)〜Inp'(p':平均有効応力)に換えてInv〜Inp'関係を用いて構成式を誘導しなおし、これに基づいて重力場でのシミュレーションも試みた。土の内部は不均質な分布性状とともに(初期正規圧密状態から)過圧密状態になる部分が現れた。この結果は、地盤の生成過程を解明する端緒となると考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] A.Asaoka: "Decay of structure and loss of overconsolidation"Proc. of The International Workshop on Deformation Of Earth Materials. 1. 109-118 (2001)
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[Publications] 浅岡顕: "砂と粘土の差異に関する弾塑性力学による一表現"第45回日本学術会議材料研究連合講演会 講演論文集. 1. 171-172 (2001)
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[Publications] A.Asaoka et.al.: "The decay of structure and the loss of overconsolidation"Proc. of The Fifteenth International Conference on Soil Mechanics and Geotechnical Engineering. 1. 19-22 (2001)