2001 Fiscal Year Annual Research Report
鉄骨柱梁溶接接合部の塑性変形能力と載荷速度・温度上昇・材質特性変化の相関
Project/Area Number |
12450224
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中島 正愛 京都大学, 防災研究所, 教授 (00207771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 保宏 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30262877)
南 二三吉 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60135663)
鉾井 修一 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80111938)
金尾 伊織 京都大学, 防災研究所, 非常勤講師
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Keywords | 鋼構造柱梁接合部 / 塑性歪 / 発熱 / 破壊靱性 / 変性能力 / 熱伝導 |
Research Abstract |
鋼構造溶接接合部の塑性変形能力と脆性破断を支配する、ひずみ速度による鋼材特性の変化、塑性変形に伴う温度上昇とそれによる鋼材特性の変化、またそれらに影響を及ぼす梁端近傍多軸ひずみに焦点をあて、『動的載荷->塑性化による履歴エネルギー消費->変換熱エネルギーによる温度上昇->鋼材靭性変化->塑性変形能力の変動』という過程を定量化することを目的とする。平成13年度では、三次元熱伝導解析を実施し、温度上昇と累積塑性歪の関係を詳細に分析するとともに、温度上昇から累積塑性歪を推定する逆問題にも取り組んだ。主たる知見は以下の通りである。 (1)構造物中の梁が地震時に受ける程度の速度であれば、空気中への熱伝達は無視できる。 (2)熱伝導の影響は顕著で、塑性化しない柱に隣接する梁端部の温度上昇よりもやや梁の内側に位置する部分での温度上昇の方が大きい。 (3)ウエブ部分には平面保持の仮定が成立せず、それがウエブ部分の温度上昇変動を複雑にする。 (4)フランジの幅方向への温度上昇も一様でなく、これはスカラップやウエブの存在に起因する。 (5)スカラップ近傍部分の歪変化は著しいが、熱伝導の影響によって温度変化の分布は歪分布を大きく異なる。 (6)発熱から温度上昇を推定する手段の逆問題として、温度分布が与えられたときに対応する累積塑性歪分布を推定する手法を提案し、その妥当性を種々の発熱分布に対して検証した。
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[Publications] Nakashima, M.: "Generic Frame model for Simulation of Earthquake Responses of Steel Moment Frames"Journal of Earthquake Engineering and Structural Dynamics. March(to appear). (2002)
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[Publications] 三木辰浩: "溶接柱梁接合部の塑性変形・発熱・鋼の温度上昇に関する実大動的実験(その1実験計画および接合形式と塑性変形能力の相関)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 9月号. 887-888 (2001)
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[Publications] 佐藤有希: "溶接柱梁接合部の塑性変形・発熱・鋼の温度上昇に関する実大動的実験(その2累積歪と温度の相関)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 9月号. 889-890 (2001)
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[Publications] 菅谷将司: "溶接柱梁接合部の塑性変形・発熱・鋼の温度上昇に関する実大動的実験(その3累積歪の分布と温度上昇の分布)"日本建築学会大会学術講演梗概集. 9月号. 891-892 (2001)
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[Publications] 菅谷将司: "溶接柱梁接合部の塑性変形・発熱・鋼の温度上昇に関する実大動的実験(その2累積歪と温度の関係)"日本建築学会近畿支部研究報告集. 6月号. 213-216 (2001)
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[Publications] 三木辰浩: "溶接柱梁接合部の塑性変形・発熱・鋼の温度上昇に関する実大動的実験(その1実験計画および接合形式と塑性変形能力の相関)"日本建築学会近畿支部研究報告集. 6月号. 209-212 (2001)