2001 Fiscal Year Annual Research Report
火炎時のコンクリート内部の空隙圧力上昇による爆裂現象のモデル化
Project/Area Number |
12450235
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90198911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 暁 京都大学, 工学研究科, 助手 (20301244)
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 教授 (80111938)
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Keywords | 火災 / 高強度コンクリート / 含水率 / 熱応力 / 空隙圧力 / 熱水分移動 |
Research Abstract |
平成13年度は、平成12年度に引き続いて、コンクリートの爆裂に関する文献調査ならびに実験データの調査、シリンダー試験体に載荷した状態で加熱する条件下での爆裂性状の実験的解明、熱水分同時移動方程式による空隙圧力上昇の予測と空隙圧力上昇を考慮した解析を行った。 文献調査の結果より、含水率が高く、かつ設計基準強度が大きいものほど爆裂の度合が激しいことが明らかとなり、このことと空隙圧力の大小との関連を考察した。すなわち、設計基準強度が大きいコンクリートは、コンクリート素材として密実であり、空隙率および透気率が小さくなる傾向にあり、内部の水分上昇により空隙圧力が上昇しやすいこと、含水率が高い場合には水分蒸発の総量が増えるので、圧力が上昇するとともに、材料内の温度分布が変わることが帰納された。 シリンダーを用いた実験では、文献調査の結果と同様に、圧縮強度が高いものほど爆裂の性状が激しいこと、また、爆裂に先立って亀裂音が数分間継続することを見出した。 以上の知見を踏まえ、空隙圧力上昇とそれに伴う応力発生状況の解析を行ったところ、1)空隙圧力の上昇だけでなく初期の温度分布により大きな応力が生ずること、2)内部には引張りひずみが生じて加熱開始後しばらくするとひび割れが避け得ないこと、が示された。以上より、爆裂機構の解明まであと一歩のところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Arita F., Miyamoto K., Harada, H.: "Thermal Spalling of High-Performance Concrete during Fire"Second International Workshop on Structures in Fire. 2002年3月(発表予定). (2002)
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[Publications] 有田史絵, 原田和典, 鉾井修一, 高田暁: "コンクリートの爆裂メカニズムに関する理論的考察"日本火災学会研究発表会概要集. 8-11 (2001)