2002 Fiscal Year Annual Research Report
火炎時のコンクリート内部の空隙圧力上昇による爆裂現象のモデル化
Project/Area Number |
12450235
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90198911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 暁 京都大学, 工学研究科, 助手 (20301244)
山崎 雅弘 京都大学, 工学研究科, 講師 (60240826)
鉾井 修一 京都大学, 工学研究科, 教授 (80111938)
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Keywords | コンクリート / 爆裂 / 熱水分移動 / 熱応力 / 空隙圧力 |
Research Abstract |
本研究においては、コンクリートの爆裂メカニズムの解明のため、実験および数値解析を行った結果を踏まえ、仮説を提示した。実験においては、円筒型(直径100mm×長さ200mm、および、直径50mm×長さ100mm)と角柱試験体を普通強度(38MPa)と高強度(100Mpa)、超高強度(150MPa)について作成し、耐火試験に供した。試験炉は、均等加熱が可能な大型炉と、不均一加熱を行う小型炉の2種類を用いた。小型炉においては、軸方向に圧縮力を加えた状態でも実験を行ない、載荷の影響も調べた。実験結果より、1)コンクリートの圧縮強度が高いものほど爆裂が顕著に起こること、2)不均一な加熱を行うと爆裂しやすくなること、3)軸方向に載荷を行うと、一度に爆裂する厚さが薄くなる傾向が見られる、等の知見を得た。 数値解析においては、コンクリート材料内の熱水分同時移動方程式を有限要素法にて解き、その結果として得られる温度・含水率・空隙内水蒸気圧力分布の時刻暦を得た。これを、三次元熱弾性解析に用いて、応力と変形性状を解析した。空隙内水蒸気圧力の影響は、等価節点荷重に置き換えることにより、熱応力と空隙内水蒸気圧力の両者を同時に考慮した。上記の方法を用いて分析を行つた結果、1)空隙内水蒸気圧力の影響は熱応力年比べて小さいこと、2)軸方向の圧縮荷重と変位拘束が加わると加熱初期の引張応力域が拡大すること、3)不均一な加熱を受けると、強加熱域の表層部から少し内部に入った位置で大きな引張応力が生じること、等の性質を明らかにした。解析は実験結果を定量的に説明するには至っていないが、加熱初期に生ずる亀裂がその後の爆裂形状を支配すると考えると実験で得られた知見と整合する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Fumie Arita, Kazunori Harada, Keiichi Miyamoto: "Thermal Spalling of High-Performance Concrete during Fire"Proceedings of the Second International Workshop on Structures in Fire (Christchurch). 253-271 (2002)
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[Publications] 有田史絵, 原田和典, 鉾井修一, 高田暁: "コンクリートの爆裂メカニズムに関する理論的考察"日本火災学会研究発表会概要集. 8-11 (2001)
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[Publications] 有田史絵, 原田和典, 鉾井修一, 高田暁: "火災時におけるコンクリートの爆裂メカニズムに関する理論的考察"日本建築学会近畿支部研究報告集. 41号環境系. 201-204 (2001)
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[Publications] 有田史絵, 宮本圭一, 原田和典: "コンクリートの爆裂メカニズムに関する実験的研究-要因及び破壊性状について-"日本火災学会研究発表会概要集. 494-497 (2002)
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[Publications] 有田史絵, 原田和典, 宮本圭一: "火災加熱を受けるコンクリートの内部亀裂に関する理論的考察"日本建築学会大会学術講演梗概集. A-2(防火). 29-30 (2002)
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[Publications] 有田史絵, 原田和典, 山崎雅弘: "コンクリート材料内の熱水分応力伝達のモデル化"日本火災学会研究発表会概要集. (採用決定). (2003)