2000 Fiscal Year Annual Research Report
振動台及び高速オンライン実験法を併用した伝統的木造建築の地震被害と免震特性の解明
Project/Area Number |
12450252
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西澤 英和 京都大学, 工学研究科, 講師 (70127116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 香織 東京都立大学, 工学研究科, 講師 (20322349)
日向 進 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (60111994)
石田 潤一郎 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (80151372)
田中 正道 シーク電子工業(株), 社長兼研究部長
中村 いずみ 防災科学技術研究所, 防災総合研究部, 研究員
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Keywords | 木造建築 / 免震 |
Research Abstract |
(1)高速アクチュエータの試作並びに静的加力装置の整備 伝統的木造建築の動的加力のために高速アクチュエータを試作し、静的加力装置の整備を行った。 (2)伝統的木造建築の加力実験 (a)伝統的木造建築の力学的特性に関する実験的研究(和様社寺建築の頭貫の水平抵抗性能について)平等院鳳凰堂翼廊の5/8の模型を作成し、静的水平載荷実験並びにオンライン実験、衝撃自由振動実験を行った。静的水平載荷実験については(1)頭貫の水平抵抗力は鉛直荷重の影響によるものと摩擦或いはその他の要因の二つからなる。(2)架構全体の復元力は柱傾斜復元力と頭貫の摩擦による復元力のみを足し合わせたものとなり、柱傾斜復元力はほぼ完全弾性体と考えられるが大斗、柱脚のめり込み等により載荷曲線と除荷曲線は若干のずれを示した。等の結論が得られた。オンライン実験では(1)オンライン実験で得た固有周期と衝撃自由振動実験から得た固有周期はほぼ似た値を示した。(2)鉛直荷重を増やすと水平方向の最大復元力は増加するが、応答加速度、応答速度、応答変位共に減衰する傾向をみせず、一種の共振状態を示した。 (b)伝統的木造住宅の水平耐力に関する実験的研究 江戸末期建設の農家(屋根は茅葺の上に銅板を被せた寄棟、下屋部分は瓦葺きの木造平屋建)に対する実験結果は、最大耐力8.71トンその時の最大変形角は0.031rad.であった。Co=2.0とすると建物にかかる地震荷重7.93トンよりも大きい。また、最大耐力は解析値の方が高いが破壊に至る変形の大きさはほぼ一致した。古民家の耐力の向上には大黒柱の断面欠損をできるだけ少なくし、かつ他の柱がそれを活かすだけの水平耐力をもつ必要があるが、特に江戸時代末期の民家では大黒柱構造が形骸化している場合があり、大黒柱の断面欠損や北側の下屋構造等に考慮した計画が必要であると言える。
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