ステップ表面を利用した自己組織化によるナノ磁性細線の作製と3次元人工格子への発展

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12450256
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00187981)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐藤 勝昭 東京農工大学, 工学部, 教授 (50170733) ; 嶋 敏之 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (50261508) ; 三谷 誠司 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (20250813)
• Keywords: 磁性薄膜 / 磁性細線 / 3次元人工超格子 / 自己組織化 / 原子ステップ / 薄膜成長 / 磁気機能性 / ナノテクノロジー

Research Abstract

1次元の周期構造を有する金属人工格子において、層間磁気結合、巨大磁気抵抗効果、垂直磁気異方性などの特異な物性が発現することが知られている。これらの物性は、磁気機能特性として応用への展開が可能であり、実際、巨大磁気抵抗効果は既に高密度磁気記録に実用化されている。しかし、人工格子の手法では積層は1次元に限られており、今後の更なる時期機能特性の探索のためには、3次元を展開できる新しい人工微小構造制御法の確立が強く望まれている。本研究では、薄膜成長時の自己組織化を利用したナノメートルオーダーの新しい構造制御法の確立を目指し、ステップエッジの磁性粒子配列などの作製を試みる。
13年度の研究成果の主要なものは、ステップを有するMgO(110)単結晶基板上に成長したFePt島状粒子の配列構造の観察である。MgOは(100)面が劈開面であるため、研磨・アニールした(110)表面にはたくさんのステップが形成されやすい。透過電子顕微鏡によって観察したFePt島状膜は、島が特定の結晶方位に並ぶような配列構造を示しており、ステップエッジに自己形成した構造であることが示唆された。
現状では、原子間力顕微鏡での構造観察に成功しておらず、立体構造の決定のために、これが課題となっている。また、FePt薄膜の成長過程そのものを理解することも重要であるため、種々の方法ではFePt単結晶膜を作製することやカー効果を用いた解析法の検討なども行った。

Research Products

• [Publications] T.Shima: "Low-temperature fabrication of L l0 ordered FePt alloy by alternate monatomic layer deposition"Applied Physics Letters. 80. 288-290 (2002)
• [Publications] K.Sato: "Anisotropic magnetization-induced second harmonic generation in Fe/Au superlattices"Physical Review B. 64. 184427 (2001)
• [Publications] T.Mizuno: "Transport properties of Au/Fe monatomic multilayers with Ll0 ordered structure"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. (in press). (2002)