2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450264
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 満 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30151541)
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Keywords | 量子効果 / 強誘電性 / 強磁性 / 反強磁性 / 電気伝導性 |
Research Abstract |
本研究では複合酸化物で発現する巨大物性のメカニズムを明らかにしてこれを利用した新規な物質開発の指針を得ることを目的としている。この目的を達成するために、本研究では強誘電体、強磁性体、および反強磁性体を対象とし、これらの系で量子効果に基づく巨大物性が発現するメカニズムを解明し、新規物質を設計するための基礎データを集積する。本年度はこのような目的を達成するために下記の実験を行い、物理的に重要な結果を得ている。 (1)量子強誘電体における巨大な電場応答 量子ゆらぎが抑制された強誘電体SrTi^<18>O_3では巨大な誘電率約250000を示し、強誘電体の中では最高の誘電率を示すことが明らかになった。この巨大応答の原因はナノサイズの強誘電クラスターであり、これが電場に応答してサイズを変え、非線形応答をすることが明らかになった。なお、このナノサイズ強誘電クラスターについてはRamanスペクトルと光複屈折率の研究からサイズが決定されいずれも矛盾しないことを確認した。 (2)(反)強磁性体における巨大な磁場応答 3次元的なドメインの発達が次元により抑制された、2次元強磁性体的化合物La_<2-x>Sr_xCoMnO_3ではナノサイズ強磁性クラスターが生成するが、3次元的パーコレートをしないため強磁性転移をしない。しかし数10O_cの交番磁場によりこれらナノサイズクラスターは拡大し、パーコレートして強磁性転移を示すようになる。本研究ではこのパーコレーション強磁性転移の発現を比熱測定により初めて観測することに成功した。この結果の重要な点は、磁性体でもナノサイズクラスターを制御すれば磁化が巨大応答し、適当な方法で制御することによりデバイス化できることである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] R.M.V.Rao,K.Shimada,M.Lippma,Y.Inaguma,M.Itoh et al: "Epitaxial La_<1/2>Na_<1/2>TiO_3 films as capacitor for temperature and electric field insensitive applications"Journal of Applied Physics. 88,No.6. 3756-3758 (2000)
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[Publications] Mitsuru Itoh,Rajappan Mahesh and Ruiping Wang: "Investigation of Lattice Effects in Perovskite ralated compounds by ^<18>O-isotope Exchange"Korean Journal of Ceramic Society. 6. 309-314 (2000)
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[Publications] Yoshiyuki Inaguma,Tetsuro Nakamura,Pai-Hsuan Sun,and Mitsuru Itoh: "Structural Study of a Quantum Paraelectric Perovskite La_<1/2>Na_<1/2>TiO_3"Journal of Solid State Chemistry. (in press).
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[Publications] Mitsuru Itoh and Ruiping Wang: "Desighing of Tunable Ferroelectrics : Polar Interaction vs.Quantum Fluctuation in Provskite-type Oxides"Journal of Materials Processing & Engineering. (in press).
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[Publications] Yuhji Tsujimi,Hiroki Hasebe,Ruiping Wang,Mitsuru Itoh and Toshirou Yagi: "Ferroelectric Phase Transition of SrTi^<18>O_3 Studied by Brillouin Scattering"Ferrorlctrics. (in press).
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[Publications] Tetsuro Nakamura,Yue Jin Shan,Misuru Itoh,and Yoshiyuki Inaguma: "Ferroelectricity-Evoking Mass-Iaeqality Parameter for Perovskite Titanate ABO_3"Ferrorlctrics. (in press).