2002 Fiscal Year Annual Research Report
高ホウ素酸化物系新超硬物質の高圧合成と複合焼結体の機能評価
Project/Area Number |
12450273
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
伊藤 秀章 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (60109270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹井 亮 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 助手 (60314051)
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Keywords | 超高圧焼結 / 高ホウ素酸化物 / 超硬質材料 / 焼結材料 / マイクロビッカース硬度 / 破壊靭性 / 複合化 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度まで行ってきたB6Oと同じ骨格構造をもつAlMgB14の高温・高圧焼結挙動の解明と機械的特性の評価を行うと共に、硬質物質であるB6O及びTiB2との複合化及に関する検討を行った。 (1)正十二面体ホウ素クラスターがAlとMg原子を取り囲んだ構造をもつAlMgB14は、ホウ素原子間の強い共有結合性ゆえに、硬質かつ化学的安定性に優れた化合物である。しかし、AlMgB14は、非常に焼結性が悪い。我々は、このALMgB14の緻密な焼結体を作製するために、これまで行ってきた超高温・高圧焼結法を適用した。その結果、難焼結性であり、これまで緻密焼結体の作製が困難であるとされてきたAlMgB14の緻密焼結体の作製に成功した。この緻密焼結体を用いた機械的強度及び破壊靭性の測定から、AlMgB14焼結体は機械的強度は高いものの、実用材料として利用するためには破壊靱性値の向上が必要であることが明らかとなった。 (2) (1)で得られたAlMgB14緻密焼結体の材料特性の向上を目指し、我々がこれまでに研究してきたB6O及び硬質物質のひとつとして知られるTiB2との複合化および、その複合焼結体の機械的特性に関する検討を行った。その結果、B6Oに関しては、緻密化した複合焼結体を得ることが出来たが、TiB2に関しては、焼結が進んでおらず、緻密焼結体を作製するためにはさらなる焼結条件の検討が必要であることがわかってきた。また、機械的強度及び破壊靭性の評価を行った結果、いずれの複合焼結体に関しても単相焼結体のそれを改善するものではなかった。これらの結果を踏まえて、今後さらなる検討が必要であることが明らかとなった。 以上に関しては、現在その成果を研究論文として、学術雑誌に投稿すべく、準備を進めている。また、これらの成果の一部については、すでに国内外での学会発表を行っている。
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