2001 Fiscal Year Annual Research Report
パルスイオンビームアブレーションを用いた超高硬度材料の作製
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12450280
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
八井 浄 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, 教授 (80029454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江 偉華 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, 助教授 (90234682)
原田 信弘 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80134849)
斎藤 秀俊 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (80250984)
今田 剛 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60262466)
末松 久幸 長岡技術科学大学, 極限エネルギー密度工学研究センター, 助教授 (30222045)
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Keywords | 超高硬度材料 / 薄膜化 / 2層ターゲット / 熱電特性 / 大強度パルス軽イオンビーム / パルスイオンビーム蒸着法 / アブレーションプラズマ / 飛翔体加速 |
Research Abstract |
1)大強度パルスイオンビームをB_4Cターゲットに照射してアブレーションプラズマ化し、これを隣接する基板上に堆積して薄膜作製を試みた。その結果、基板加熱なし、後処理なしの条件下で、HV(ビッカース硬さ)2,400の硬さを持つ結晶化したB_4C薄膜の作製に成功した。しかも作製されたB_4C薄膜はゼーベック係数がこれまで知られていた値の3倍程度にも達する大きな熱電特性を示すことが判明した。将来の有望な熱電デバイスが開発されたと言えよう。 2)パルスイオンビーム照射前後のターゲットの質量評価、高速度カメラ撮影、電子天秤、カロリーメーター、イオンフラックス計測等から、種々(アルミニウム、鉛、タングステン、銅、銀等)のターゲットを用いてアブレーションプラズマの動特性評価を行った。その結果、成膜はターゲットのアブレーション量に強く依存する事、アブレーション量や成膜量はターゲットの沸点に大きく依存する事、鉛や銀ターゲットでは瞬時に蒸発し、プラズマはターゲットの裏側まで回りこむが、タングステンでは蒸発時間が長く、直線的に膨張する事、アブレーションプラズマが基板に到達すると基板表面温度は断熱的に上昇して結晶化が促進される事、等が判明した。 3)イオンビーム・ターゲット相互作用による飛翔体加速 軽い質量を持つターゲット(例えばアルミニウム)の表面に、それよりも質量の重いもの(例えば金)を塗布した2層ターゲットにパルスイオンビームを照射すると、軽重2層の或る組合せの時に、飛翔体速度が最大となる。上記結果は、流体近似モデルを用いたコンピューターシミュレーションの結果、実験とシミュレーションは非常に良く一致することが判明した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Kitajima, T.Suzuki, W.Jiang, K.Yatsui: "Preparation of B_4C Thin Film by Pulsed Ion-Beam Evaporation"Proceedings of 13^<th> International Conference on High-Power Particle Beams. II. 625-628 (2001)
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[Publications] K.Kashine, M.Yazawa, N.Harada, K.Yatsui: "Foil Acceleration of Double Layer Target by Intense, Pulsed, Ion Beam Ablation"Proceedings of 2^<nd> Asia-Pacific International Symposium on the Basis and Application of Plasma Technology. I. 187-190 (2001)
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[Publications] T.Suzuki, M.Kishima, W.Jiang, K.Yatsui: "Synthesis of Ti-Al Intermetallic Compounds Films by Intense Pulsed Ion-Beam Evaporation"Proceedings of 13^<th> International Conference on High-Power Particle Beams. II. 621-624 (2001)
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[Publications] W.Jiang, K.Ide, S.Kitayama, T.Suzuki, K.Yatsui: "Pulsed Ion-Beam Evaporation for Thin Film Deposition"Proceedings of 13^<th> International Conference on High-Power Particle Beams. I. 210-215 (2001)
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[Publications] 北山伸二, 猿渡文人, 鈴木常生, 末松久幸, 江 偉華, 八井 浄: "大強度パルスイオンビーム蒸着法における金属薄膜の堆積過程の解明"電気学会パルスパワー研究会資料. PPT-01-69. 1-6 (2001)
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[Publications] 南 千洋, 原田信弘, 江 偉華, 八井 浄: "大強度パルス軽イオンビームによる超高圧力の発生と飛翔体加速"電気学会パルスパワー研究会資料. PPT-01-72. 17-20 (2001)
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[Publications] 八井 浄, 江 偉華: "電気学会大学講座「パルス電磁エネルギー工学」"電気学会、オーム社. 218 (2002)