2001 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルアロイング法を応用したセメンタイトバルク材の創製と物性研究
Project/Area Number |
12450281
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
梅本 実 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90111921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土谷 浩一 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50236907)
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Keywords | 鉄鋼 / セメンタイト / メカニカルアロイング / 焼結 / 強度 / 合金化 / 機械的特性 / 物理的特性 |
Research Abstract |
純鉄、合金元素M(M=Si,Ni,Ti,Cr,Mn,Moなど)とグラファイト原料粉末を(Fe,M)_<75>C_<25>の組成で100時間MAした。得られたMA粉末を放電プラズマ焼結機(SPS)により1173K,50MPa,900sの条件で焼結した。焼結体の特性をXRD,DSC,SEM,熱膨張測定機、ヤング率測定機、マイクロビッカース硬度計、圧縮特性試験機により測定した。 純鉄とグラファイトをMAした粉末を焼結すると、相対密度は約98%の純セメンタイトの焼結体が創製できた。焼結体は純鉄に似た金属光沢をし、硬さは10GPaと純鉄の10倍であり,ヤング率は190GPaと純鉄より10%程度小さい値であった。熱膨張係数は210℃以下では6.8x10^<-6>/K,以上では16.2x10^<-6>/K,電気伝導率は100/μΩ・cmであった。 Mn,Cr,Mo,Vを添加するとそれらが鉄原子と置換した合金セメンタイトが作製できた。しかし、Si,Ni,Ti,Al,CuではFeの5%を置換した場合でも焼結体は大半がセメンタイト以外の相になった。合金セメンタイトは熱的に安定で、1273Kまで分解が起こらなくなった。合金を添加することによって硬さは増加するが、その傾向はCr,Mn,Moの順で顕著であった。CrやMnの添加によって室温でのヤング率の上昇、熱膨張率の増加、比熱の減少などが観察された。 以上本研究により、世界で初めてセメンタイト単相の大きな試料が作製でき、その物性を直接測定することができた。この結果は鉄鋼材料の特性の制御にとって重要な知見を与えるものである。
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[Publications] 梅本 実, 土谷浩一: "セメンタイトの基本的特性とその理解の現状"鉄と鋼. 88. 117-128 (2002)
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[Publications] K.Tokumitsu, M.Umemoto: "Structural Change and 57Fe Mossbauer Spectroscopy Study of Mechanically Alloyed Fe_2C Powder"Materials Science Forum. 386-388. 479-484 (2002)
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[Publications] M.Umemoto, Z.G.Liu, D.Y.Liu, H.Takaoka, K.Tsuchiya: "Characterization of Alloyed Cementite Produced by Mechanical Alloying and Spark Plasma Sintering"Materials Science Forum. 386-388. 199-204 (2002)
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[Publications] M.Umemoto, Z.G.Liu, H.Takaoka, M.Sawakami, K.Tsuchiya, K.Masuyama: "Production of Bulk Cementite and Its Characterization"Metall.Mater.Trans.. 32A(8). 2127-2131 (2001)
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[Publications] M.Umemoto, Z.G.Liu, K.Masuyama, K.Tsuchiya: "Influence of Alloy Additions on Production and Properties of Bulk Cementite"Scripta Materialia. 45. 391-397 (2001)