2000 Fiscal Year Annual Research Report
高レベル放射性廃棄物の地層処分オーバーパック用新低合金鋼の開発
Project/Area Number |
12450287
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
杉本 克久 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80005397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤尾 昇 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80222503)
原 信義 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40111257)
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Keywords | 高レベル放射性廃棄物 / 地層処分 / ベントナイト / 炭素鋼 / 腐食速度 / 水素過電圧 / マグネタイト / 自己還元 |
Research Abstract |
高レベル放射性廃棄物の地層処分用オーバーパック材料である炭素鋼の腐食機構を解明し,オーバーパック材料として最適化された組成を持つ新低合金鋼を開発すること目的として,マグネタイト皮膜による腐食加速機構,およびマグネタイトの水素過電圧と還元溶解速度に及ぼす微量金属イオンの影響について検討し,以下のような成果を得た。 1.マグネタイト(Fe_3O_4)皮膜による腐食加速機構の解析:イオンビームスパッタ蒸着(IBSD)法を用いて炭素鋼上にFe_3O_4皮膜を形成し,模擬ベントナイト接触水(5.72mM-Na_2SO_4+7.99mM-NaHCO_3)中におけるカソード分極曲線を測定した。その結果,Fe_3O_4皮膜の水素過電圧は炭素鋼そのものよりも大きいことなどが分かった。 2.Fe_3O_4を主成分とした2元系複合酸化物皮膜の作製と皮膜性状の解析:Fe_3O_4にZnO,TiO_2,Al_2O_3,SiO_2,Mn_2O_3,Cr_2O_3,MoO_2を添加した複合酸化物皮膜(厚さ:100nm)をIBSD法によって作製し,透過電子顕微鏡による組織観察および電子回折を行った。添加量10〜30mol%の皮膜は全てスピネル型の微結晶から成ることが分かった。 3.2元系複合酸化物皮膜のカソード分極特性の解析:作製した複合酸化物皮膜のカソード分極特性を0.1M-HClおよび模擬ベントナイト接触水中で測定した。その結果,Cr_2O_3,TiO_2,Al_2O_3,MoO_2の添加は,その添加量が増すにつれてFe_3O_4の還元溶解を抑制することが分かった。特に,Cr_2O_3とTiO_2はその効果が大きいことが分かった。
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