2001 Fiscal Year Annual Research Report
化学反応を利用した組織と構造制御によるセラミック傾斜コーティングの定量的創製
Project/Area Number |
12450290
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田村 英樹 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (30188437)
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Keywords | 溶射 / 電熱爆発 / 化学反応 / 高融点セラミックス / ジェット |
Research Abstract |
(1)黒鉛-酸化硼素混合粉体を出発試料として炭化硼素皮膜の合成を試みたが、分析に十分なほどの膜厚を得る条件を見いだせなかったため、炭化硼素と黒鉛の混合粉体を使って炭化硼素皮膜の形成に成功した。混合比率と加熱量の調整を経て、ほぼ10ミクロン毎に厚みを増やせる成膜が出来る条件を見出した。事前に用意したニッケル-クロム混合皮膜を基材とする本溶射により溶射材と基材による傾斜混合層の形成を確認した。皮膜は40GPaに達する微小硬度を有する緻密さを備えていた。 (2)ジルコニウム-酸化硼素混合粉体を出発試料として酸化ジルコニウム-ホウ化ジルコニウムから成る複合皮膜の合成に成功した。皮膜中には酸ホウ化ジルコニウムと推測される化合物も含まれることを見出した。混合比率と加熱量の調整を経て、ほぼ30ミクロン毎に厚みを増やせる成膜が出来る条件を見出した。事前に用意したニッケル-クロム混合皮膜を基材とする本溶射により溶射材と基材による傾斜混合層の形成を確認した。約40ミクロン厚みのセラミックス単独のトップコート層と100ミクロン程度の傾斜混合層から成る皮膜を形成に成功し、出発粉体への投入エネルギーを調整することによる傾斜皮膜の形成方法を見出した。トップコート層は20GPaに達する微小硬度を有する緻密さを備えていた。この皮膜について1273Kまでの加熱試験を行い、組成と組織の安定性を確認した。 (3)本研究により得られた成果を、高温学会溶射部会主催の第10回溶射総合討論会と電気、機械学会主催の第13回電磁力関連のダイナミクスシンポジウムにて発表した。また、第14回電磁力関連のダイナミクスシンポジウムと電気学会一般産業研究会にて発表予定(申込済み)である。
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[Publications] 水迫文樹: "電熱爆発溶射法によるZrB2-ZrO2複合皮膜の化学合成"第13回電磁力関連のダイナミクスシンポジウム講演論文集. 95-98 (2001)
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[Publications] 吉川文博: "電熱爆発溶射法による炭化硼素皮膜の化学合成"第13回電磁力関連のダイナミクスシンポジウム講演論文集. 99-100 (2001)
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[Publications] 水迫文樹: "電熱爆発溶射法によるZr-O-B系複合皮膜の構造"第10回溶射総合討論会講演概要. 11-12 (2001)
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[Publications] 吉川文博: "電熱爆発溶射法による炭化硼素皮膜の形成"第10回溶射総合討論会講演概要. 13-14 (2001)
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[Publications] 吉川文博: "黒鉛/炭化硼素混合粉体の電熱爆発と炭化硼素傾斜皮膜の合成"第14回電磁力関連のダイナミクスシンポジウム講演論文集. (2002)
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[Publications] 水迫文樹: "パルス大電流放電を利用した反応性溶射によるZr-O-B系複合皮膜の合成"電気学会研究会資料:一般産業研究会. (2002)