2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12450296
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
柴田 俊夫 福井工業大学, 工学部, 教授 (90001205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春名 匠 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70243186)
藤本 愼司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70199371)
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Keywords | 不働態 / 炭酸イオン / 重炭酸イオン / 高レベル放射線廃棄物 / 炭素鋼 / ノイズ解析 / パワースペクトラム / 腐食モニタリング |
Research Abstract |
高レベル放射性廃棄物の最終処分法として、ガラス固化体の深層地下埋設が検討されており、保存容器材料として炭素鋼が想定されている。深層地下環境は埋設直後を除き、酸素の無い還元性雰囲気と考えられ、水そのものの鉄に対する酸化作用のみが腐食要因となる極めて弱い腐食環境ではあるが、1000年にもおよぶ長期の管理のためには連続的腐食モニタリングが必要である。深層地下での長期にわたる腐食モニタリングには簡便な測定法の開発が求められるが、電気化学的ノイズ法は比較的単純な装置で測定できる。そこで、本研究では電気化学ノイズ法の深層地下環境における腐食速度モニタリングへの適用について検討した。 埋設環境として想定されている重炭酸イオンを含む水溶液中に、同一形状の炭素鋼製A, B, Cの3つの試料電極を浸漬し、A-B間の腐食電流、B-C間の腐食電位を記録した。さらに電位/電流から得られる見かけの腐食抵抗を算出した。このような測定をサンプリングレート0.5s,1024秒間の計2048点を1セットとして数日間断続的に繰り返した。これらの測定より得られた時系列データを各セット毎にフーリエ変換して周波数に対するパワースペクトラムを算出し、別途分極抵抗法により実測した腐食速度との対応を検討した。腐食速度との相関は、見かけ腐食抵抗、電流、電位の各ノイズの順に高く、また周波数領域に関しては低周波数ほど相関が良かったが、見かけ腐食抵抗と電流それぞれの腐食速度との相関係数の差は僅かであった。3mHzにおける電流ノイズのパワー密度の腐食速度との相関係数は0.8〜0.9に達し、腐食モニタリングとして十分な精度を有する。以上より、簡便に測定できる同一形状2試料間の腐食電流ノイズを計測し、その低周波数領域でのパワー密度をもって深層地下環境における炭素鋼の腐食速度のモニタリング指標とすることが可能なことが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Haruna: "Contribution of Surface Reaction to Environment-Assisted Cracking of TiAl in Aqueous Solution"Proc. of 2nd Inter. Conf. on Environment Sensitive Cracking and Corrosion Damage. 227-232 (2001)
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[Publications] 春名 匠: "環境脆化におけるき裂の検出方法"第134回腐食防食シンポジウム「金属薄膜腐食および局部腐食計測」資料. 21-28 (2001)
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[Publications] T.Shibata: "Contribution of the Initiation Process to Stress Corrosion Cracking of Stainless Steel"Proc. of Chemistry and Electrochemistry of Corrosion and Stress Corrosion. 363-378 (2001)
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[Publications] T.Shibata: "Cost of Corrosion in Japan"Proc. of 12th Asian Pacific Corrosion Control Conference. Vol.1. 94-102 (2001)