2001 Fiscal Year Annual Research Report
Au/Si(111)系における構造変化と成長ダイナミクス
Project/Area Number |
12450299
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
大坂 敏明 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50112991)
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Keywords | Si(III) / Au / 成長ダイナミクス / 構造解析 / 吸着構造 / 表面形成過程 / 3次元微結晶 |
Research Abstract |
本研究では、Si(111)-(7x7)(以下(7x7)と略称)表面上に高温でAuを蒸着して得られる(√<3x>√<3>)-R30°(以下γ√<3>)表面およびγ√<3>を徐冷して得られるAu/Si(111)-(6x6)(以下(6x6))表面の原子配列の決定と両表面上でのAu成長ダイナミクスの解明を狙っている。用いる手法としては、構造変化に起因するダイナミクスを追跡しつつ、3次元の原子配列をも決定できる反射高速電子回折法(以下RHEED)を中心に据え、他にも、オージェ電子分光法、走査トンネル顕微鏡法(以下STM)など複数の手法を組み合わせる。昨年度は構造解析に先駆けて、γ√<3>表面形成過程の評価、およびγ√<3>、(6x6)両表面上でのAuの成長ダイナミクスの評価を行い、基板表面の性状が蒸着物質との反応性に大きく影響を与えることを明らかにした。このことは、表面の作製条件とその表面性状を確実に把握した上で表面過程および原子配列の解析に向かわねばならないことを示すものである。本年度はγ√<3>表面の構造解析に的を絞り、その準備段階としてこの表面の最適な作製条件を確立すべくRHEED、STMによる観察を行い、以下の結果を得た。 1.600℃に保持した(7x7)基板上にAuを蒸着速度0.5ML/minで1ML蒸着することにより得られる表面には、Auシリサイドからなる3次元微結晶が形成する。 2.600℃に保持した(7x7)基板上にAuを前記1と比べて6倍も大きい蒸着速度3.0ML/minで1ML蒸着すると3次元微結晶の形成を伴わない、平坦性の高い均一なγ√<3>表面ができる。 これらの結果よりAu蒸着速度の大小が均一なγ√<3>表面の形成に深く関わっていることが明らかとなった。今後は、上記2の作製条件で得られる平坦性の高いγ√<3>表面に対してRHEEDロッキングカーブ法による多波条件下での3次元構造解析を行う。
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