2001 Fiscal Year Annual Research Report
リサイクルを目的としたFRPの化学的分解と再生プロセスに関する研究
Project/Area Number |
12450308
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
津田 健 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90016585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙北谷 英貴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70313343)
久保内 昌敏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00186446)
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Keywords | リサイクル / プラスチック / エポキシ樹脂 / 硝酸 / アミン / ビスフェノール / ケミカルリサイクル / 収率 |
Research Abstract |
メンタンジアミン(MDA)を硬化剤として用いたビスフェノールF型エポキシ樹脂を4mol/lの硝酸水溶液(80℃)で分解した場合が、リサイクルという本研究の目的に最も適合していることがわかったので、この条件で硬化樹脂の分解を行った。樹脂は100時間程度で完全に分解した。これを酢酸エチルで抽出し、FT-IR分析およびサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を行ったところ、樹脂のモノマー構造を残した化合物が酢酸エチル相に存在することが示唆された。そこで、この抽出物を未硬化の樹脂およびMDA硬化剤と種々の配合比で混合し、硬化させた。その結果、未硬化樹脂の比率を下げても硬化するが、硬化剤の比率を下げると硬化しなくなることから、抽出物が未硬化樹脂と同様にふるまっていることが明らかになった。しかしながら、抽出物を15wt%以上添加すると、弾性率の低下は見られないものの、曲げ強度の低下が大きいことがわかった。示差走査熱量分析(DSC)により、添加量が大きい場合にはガラス転移によるDSC曲線のシフトが複数見られ、強度低下の原因が化学構造の不均一性によることが示された。より優れた硬化物を得るため、抽出物を再硬化させる際の硬化剤の種類を変えて検討を行ったところ、酸無水物系の硬化剤を用いた場合に、強度に関してはむしろ抽出物を加えた方が向上することが明らかになった。20wt%の抽出物を加えることにより、曲げ強度は約1.5倍の向上が見られた。抽出物は混合物であり、含有成分の中に硬化促進剤として作用する化合物が存在することが示唆された。抽出物を30%以上加えると、硬化が早すぎるために成形が困難であることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Dang Weirong, Kosuke YAMAKI, Hideki SEMBOKUYA, Masatoshi KUBOUCHI, Ken TSUDA: "Decomposition Mechanism of Epoxy Resin in Nitric Acid for Recycling"Proceedings of EcoDesign 2001 2nd International Symposium on Environmentally Conscious Design and Inverse Manufacturing, (Tokyo, Japan, 2001 DEC 11-15.). 980-985 (2001)
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[Publications] Dang Weirong, Masatoshi Kubouchi, Hideki Sembokuya, Ken Tsuda, Kazuyoshi Arai: "Decomposition of Amine Cured Epoxy Resin in Nitric Acid for Recycling"Proceedings of 13th International Conference on Composite Materials, (Beijing China, 2001. JUN, 25-29). (CD-ROM). ID1340 (2001)
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[Publications] 八牧孝介, 党偉栄, 久保内昌敏, 仙北谷英貴, 津田 健: "エポキシ樹脂の分解物を用いたケミカルリサイクル品の成形方法の検討とその評価"第8回材料科学若手研究者討論会, (横浜国立大学, 2001.7.31). 4-9 (2001)